Question

こんなお悩み
ありませんか?

  • 認知獲得や新規顧客を開拓したいものの、上手くいかない
  • 話題になるためのプロモーションを実行したい
  • SNSをもっとうまく活用したい
  • さまざまな施策を行っているが効果測定の方法がわからない
企業と生活者で価値をつくる
ソーシャル時代のマーケティングで、課題を解決します

住宅業界のマーケティング分析

本記事において住宅業界とは、戸建住宅を建設・販売するメーカーを指します。一般的にマーケティングに影響を与える代表的な要素と業界ならではの特性を考慮すると、住宅業界はマーケティングにおいて以下のような押さえるべきポイントがあります。

※あくまで業界において一般的に言える特長です。ブランドによって差異はあります。

コモディティ化と価格競争

かつてはニーズに企業の技術力が追いついていなかったため、各社は技術開発に力を注いでいました。しかし現代は技術力が顧客ニーズを追い越しているため、生活者のニーズはほぼ充足しており、技術力で競合と差をつけることは難しくなっています。

そのため、あらゆる業界においてコモディティ化による価格競争が激化しており、住宅業界においても例外ではありません。

生活者が重要視するベネフィット

住宅は、耐震・免震・防火性などの安全性、間取りなどの快適性、価格などの理性的(機能的なベネフィット)な検討と、眺望、憧れ、見栄、ライフスタイル、アイデンティティなどによる情緒(情緒的ベネフィットおよび自己実現ベネフィット)な検討の双方がなされます。その割合は、購入検討者の価値観や志向、選ぶことのできる物件特性によって大きく異なります。

検討・検索に費やす時間

住宅購入は一生のうちに一度あるかないかであり、たいていは人生において最も高価な買い物であるため、失敗リスクが大きいという商材特性を持ちます。そのため、購入にあたっては慎重かつ十分な検討がなされます。

“想起されやすさ”と“買い求めやすさ”が与える影響

売上は、メンタルアベイラビリティ(思い出してもらいやすさ)とフィジカルアベイラビリティ(買い求めやすさ)の2つの強さで決まります。

住宅におけるフィジカルアベイラビリティとは、Webサイトからの資料請求の容易性や住宅展示場の数、マンションの場合はモデルルームの近さが影響します。

住宅は購入頻度が低いため、常にニーズが顕在化しているわけではありません。結婚したとき、家族が増えるとき、ライフスタイルを変えるときなど、何かのきっかけで「欲しいな、買っちゃおうかな」と購入のニーズが顕在化したその瞬間に、検討候補として頭に思い浮かぶ想起集合に入っていることが圧倒的な競争優位性につながります。

また、住宅は購入頻度と価格から、購入の失敗リスクが大きいというカテゴリー特性を持ちます。そのため、生活者は購入前に必ず検索をします。検索・検討される商品は想起集合に入っているメーカーであるため、住宅は検討候補に入るためのメンタルアベイラビリティが非常に重要なカテゴリーと言えます。

想起集合および第一想起の重要性

メンタルアベイラビリティ( 思い出してもらいやすさ )を理解するために、知っておくと便利なのが以下のようなブランドカテゴライゼーションの枠組みです。

トーナメント表のような図が表す通り、すべてのブランドが左からスタートし、右上に勝ち進んだブランドが最も売上を獲得しやすくなります。

知名段階は“知っているか、知らないか”、処理段階は“商品やサービスの特徴を理解しているか、していないか”です。
そして想起集合は“ニーズが顕在化したときに純粋想起される好意的な選択肢の集合体(購入時における選択肢)”をあらわしており、第一想起は想起集合の中で最初に想起されるブランドを指します。

Evoked Set調査2022の結果

トライバルメディアハウスは、2022年2月に15カテゴリーにおいてEvoked Set(想起集合)調査を実施しました。

【調査概要】

調査実施期間:2022年2月25日~2022年3月16日
調査対象:全国20歳~69歳男女で、以下それぞれの商品・サービス等を自身で購入/利用、または問い合わせをした人
対象:全15種(ビール、チューハイ、チョコレート、アイスクリーム、衣類用洗濯洗剤、歯磨き粉、マスカラ、掃除機、ドライヤー、デジタル一眼レフカメラ、クレジットカード、自動車保険、住宅、動画サブスクリプションサービス、温泉地)
※なるべく近い時期に、購入/利用したサンプルから優先的に回収
サンプルサイズ:各1000サンプル
サンプル構成:性別×年代(20~69歳)10代ごと10セル均等割り付け(マスカラは女性のみで500サンプル)

「(カテゴリー名)と聞いて思い浮かぶブランド(銘柄)は?」という質問に対して、想起集合に格納されているブランドの数(想起集合の平均値)は、温泉地が最多で2.42個、最少の歯磨き粉が1.48 個で、今回調査した15カテゴリーにおいてはすべてが3 個未満でした。

今回の調査対象である15カテゴリーのうち、住宅メーカーの調査結果をご紹介します。本調査では、知名集合・処理集合・想起集合のすべてにおいて、選択回答式でなく自由回答式を採用しているため、調査結果には会社名やブランド名などが混在しています。

想起順位ごとの購入率。第一想起 70.9%、第二想起 61.5%、第三想起 61.1%。

住宅メーカーの想起集合平均値は1.80個と、今回調査した15カテゴリーにおいては中間的位置でした。テレビCMなどの出稿によって知名集合に入ったとしても、処理集合に入らないと想起集合にも入らないことがわかります。一方、高価格で購入リスクが高い商材のため、想起集合に入ったメーカーが横並びで検討されており、想起順位による契約率にさほど差が生じない結果となりました。住宅は、第一想起でなくともまずは想起集合に入り、検討できる候補になること。商材の差別的競争優位性(機能性、情緒性、自己実現性)。そして営業力の3点が重要と言えます。

住宅業界のマーケティング特性まとめ

以上のことから、住宅業界におけるマーケティング活動においては以下のようなことを踏まえておく必要があります。

  • 競合商品が多く、検討顧客のリスト獲得競争が激しい
  • 理性的(機能的ベネフィット)と情緒(情緒的ベネフィットや自己実現ベネフィット)の双方で選択される特徴を持つ
  • 購入にあたってはユーザーレビューなどで十分な検討がなされる
  • 想起集合に入ること(検討の選択肢に入ること)と営業力が重要
  • ニーズが顕在化するタイミングは不確定かつ頻度が低いため、いつかニーズが顕在化するその瞬間まで、オールウェイズオン(常時接続型)コミュニケーションによってフリークエンシーを高め、ロングエンゲージメメントを獲得し続けておくことが大切

問題を解決するためのアイデア

PESOモデルとの相性から考える

住宅のマーケティングコミュニケーションは、PESOメディアのペイド、オウンド、シェアードが重要と考えられます。もちろんアーンドも重要ですが、新たな新技術の採用などが無い場合、商品パブリシティによる記事露出は限定的です。

ペイド
知名集合に入るため、一定の認知を獲得する必要があります。マス広告を打つ予算がない場合、高精度なターゲティングができるSNS広告が有効です。また、必ず検索されるカテゴリーのため、検索連動型広告も必須です。

オウンド
処理集合に入るため、広告による商品特徴の理解促進だけでなく検索の受け皿となるオウンドメディアで詳しい商品情報を掲載しておくこと、そして資料請求などの導線がわかりやすいことが肝要です。

シェアード
必ずクチコミが参照されるため、機能的ベネフィットはレビューサイトのクチコミ、情緒的ベネフィットや自己実現ベネフィットはInstagramのハッシュタグ検索結果(量と質)が重要となります。ただし、当然ですがユーザーレビューは内容をコントロールすることができないため、マーケティングコミュニケーションだけに頼った表層的な取り組みではなく、いい評判が既存顧客から自然に発生するブランド体験を提供する本質的な取り組みが不可欠です。

マーケティングファネルと施策マップから考える

住宅は購入頻度が低く、価格が高いというカテゴリー特性を持つため、潜在顧客の想起率向上(ニーズが顕在化した瞬間に自社を想起してもらう戦略)、広告による認知向上、興味喚起、オウンドメディアによる理解促進、レビューやInstagramによる検討、動画コンテンツや営業パーソンによる購入意向の向上、人的セールスと、プリマーケティング(買ってもらうまでのマーケティング)は全域に渡って行う必要があります。

まだ住宅の購入にあまり興味がない層に対してはコンテンツマーケティングが有効でしょう。

また、住宅は何度も購入する商材ではないので、ポストマーケティング(買ってもらってからのマーケティング)の役割はLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化というより、満足度を高めることによる新規顧客紹介の促進を目的とした方がいいでしょう。メルマガやLINEなどによる定期的な情報提供、チャットボットによる相談やメンテナンスアドバイスなども有効です。また、ライフスタイル性の高い住宅を提供しているメーカーの場合、顧客のライフスタイルを新規顧客に向けたオウンドメディアのコンテンツとして展開するなど、ブランドに対して愛着を感じているインフルエンサーとの関係値構築も検討に値します。

売上をつくる構造から考える

トライバルメディアハウスでは売上に影響を与える主要因を分解し、その構造を『売上の地図』として図式化しています。住宅メーカーにおいては、どういった変数が売上に影響を与えているのでしょうか。

※詳しくはこちらの書籍をご覧ください(Amazonのページが開きます)。

住宅は購入頻度が低く、ニーズが顕在化した瞬間の想起が鍵となります。そのため、広告やSNS公式アカウントによるフリークエンシー確保が重要となります。その後は想起集合に入っているメーカーを候補に検討が行われるため、ユーザーレビューとInstagram投稿(ハッシュタグ検索結果)が大きく影響します。

また、住宅は人生で一度あるかないかの買い物のため、生活者は十分な情報を持ち合わせていないことが一般的です。そこで、誰でも商品の特徴や魅力を理解することができる、わかりやすいオウンドメディア(コンテンツ)の企画制作も重要です。

住宅メーカーのオウンドメディア(公式サイト)は、各社同質化が進んでおり、訴求しているコンテンツが機能的ベネフィットに偏る傾向があります。一方で生活者が住宅に求めるベネフィットは多様化しており、必ずしも機能面、安全面だけを求めているわけではありません。自社商品の差別的競争優位の源泉を見直し、それが情緒的または自己実現ベネフィットである場合、顧客のライフスタイルをオウンドメディアで紹介する“オウンドメディアのソーシャル化”が有効と考えられます。

クチコミの重要度から考える

クチコミには4つの種類があり、それぞれ商品の購入前と購入後に発生しています。すべてのクチコミは生活者のZMOTを生み出し、生活者の認知・興味喚起・意向形成に貢献しています。

※Zero Moment Of Truthの略。Googleが提唱した概念で、顧客が商品やサービスを評価する瞬間=Moment Of Truth(真実の瞬間)が商品の購入前に訪れているということを説いた考え方。ZMOT/FMOT/SMOT/TMOTについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

住宅はレビュー型とレコメンド型のクチコミが発生しやすい商材特性を持ち、それらすべてが新規顧客のZMOTにつながります。

どちらも好意的なクチコミの総量をいかに増やすかが重要であるため、ファンを育成する熱狂ブランドマーケティングや、すでに自社に愛着を持ってくれているファンと取り組むブランドインフルエンサーリレーションズ、SNSの公式アカウントを起点としたUGC創出活動が効果的です。

相性のいいプラットフォーム

トライバルメディアハウスにできること

公式アカウント運用による中長期なコミュニケーション

真っ先に思い出し、検討してもらえるブランドになるために、ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションは有効な手段の1つです。アカウント運用を通じてエンゲージメントを獲得することで、ブランドや商品の想起率向上を目指します。

公式アカウント運用

生活者との関係をもとに、長期的な事業成長と“明日の売上づくり”につなげます。

認知を高めるための広告出稿

適切な戦略から導いたターゲット属性をもとに、最大の効果が得られる配信プランやターゲティングを考えます。戦略やアカウント運用で得たデータを施策に反映させ、効果の最大化を狙います。

SNS広告出稿・運用

効果を最大化する配信プランやターゲティングを提案します。

商品の特徴や魅力をわかりやすく伝えるオウンドメディア運用

比較検討されたときに、自社が提供できる価値をしっかり訴求するためのオウンドメディア運用をご支援します。

note運用

noteの特性を踏まえた施策を、戦略立案から実施、効果測定まで行います。

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「こんなことできますか?」「ずっと同じ課題で悩んでいます」など、要件が固まっていない段階でのお問い合わせでも構いません。目的の整理から最適な手段の選択まで当社が並走いたしますので、お気軽にご相談ください。

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