SNSマーケティングとは?具体的な施策や進め方、成功のためのポイントを解説

最終更新日:2025-07-10作成日:2024-07-30

SNSマーケティングは、企業が顧客と直接つながり、ブランド認知向上や売上増加を実現するためのマーケティング手法です。

本記事では、SNS黎明期から業界をリードしてきたトライバルメディアハウス(以下、当社)が、ソーシャルメディア時代における大手企業の支援実績、SNSマーケティングの基礎知識から具体的な施策・手法、そしてSNSマーケティングの成功事例までくわしく解説します。

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トライバルメディアハウスは「SNSアカウントをどのように運用したらいいか分からない」「アカウントの役割や効果測定に悩んでいる」企業をご支援しています。SNS運用にお困りの方はお気軽にご連絡ください。

SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、SNS(ソーシャルネットワーキング)を活用して、企業と顧客とのコミュニケーションを図り、ブランド認知向上や売上増加につなげるマーケティング手法です。単に企業の商品やサービスを宣伝するだけでなく、ターゲット顧客とのエンゲージメントやブランドに対する好感度を高めることで、ブランド想起をうながす効果が期待できます。おもなプラットフォームに、InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeがあります。

SNSマーケティングの有効性

SNSマーケティングの実施にあたっての有効性について解説します。

想起集合に入りやすくなる

SNSマーケティング含む、マーケティングコミュニケーションのゴールは想起集合に入ること(さらには第一想起ポジションを獲得すること)です。想起集合とは「何を買おう」「どこへ行こう」と思ったときに頭の中に思い浮かぶ選択肢の集まりのことです。SNSで消費者と中長期的にコミュニケーションをとることで、想起のされやすさを高めることができます。

クチコミの増加

クチコミの重要性が高まる今、SNSマーケティングの手法や企画次第ではSNSでのクチコミを増やすことができます。Xであれば、自社に関する投稿に返信や引用ポストをするアクティブコミュニケーションをとったり、ポストを条件にしたプロモーションを実施したりすることで、クチコミの増加が期待できます。

※関連記事:SNSマーケティングの最適解! UGCを増やして売上につなげるには丨https://www.tribalmedia.co.jp/note/socialmedia-marketing-200828/

消費者のリアルな声を聞くことができる

顧客とのコミュニケーションに関連し、企業のアカウント運用やプロモーションによって消費者のリアルな声を聞くことができます。顧客やフォロワーとの関係値が築けている場合は、商品企画やSNSマーケティング施策に参考になる質問を投げかけてみましょう。ユーザーからの回答から新たな消費者ニーズの発見や改善点の気づきを得ることが期待できます。

具体的なSNSマーケティング施策

SNSマーケティングの具体的な施策は大きくわけて以下の4つです。

SNSアカウント運用

自社の企業アカウントを開設し、ターゲットに向けた情報発信を行います。前述の目的に沿って運用し、定めた効果指標について定期的に評価します。より運用効果を高めるため、後述の広告出稿やキャンペーン用の企業アカウントとして活用する場合もあります。

SNS広告

目的に沿って各プラットフォームの広告プランを利用し、少額から運用することができます。プラットフォームによって異なりますが、企業アカウントのファン・フォロワーを獲得する広告やタイムラインやフィードに表示しエンゲージメントを獲得する広告、Webサイトへの誘導に適した広告など、種類はさまざまです。広告の管理画面から確認できるリーチ数やクリック数・率など、細かいデータを収集し分析することが重要です。

SNSキャンペーン

プレゼント企画をはじめとしたユーザー参加型のキャンペーンを実施することで、ユーザーとのエンゲージメントを高め、商品への好意度や購入意向を高めることができます。また、影響力のあるインフルエンサーに商品・サービスを紹介してもらうことで、多くのユーザーに説得力や信頼度を高くリーチすることができます。

ソーシャルリスニング

SNS上での自社に関するクチコミや評判を収集・分析することで、顧客の声を把握し、商品・サービスやマーケティング戦略に活かせるメリットがあります。

代表的なSNSプラットフォームの特徴

SNSマーケティングにおける代表的なSNSのプラットフォームを紹介します。

SNSプラットフォーム比較

Instagram

Instagramの月間アクティブアカウント数は2019年に3,300万を超え(※1)、2023年11月に行われた「Meta Marketing Summit Japan 2023」では倍以上(6,600万以上)に増えている旨が伝えられました。主な利用者の年齢は10~30代です。若年層はDM機能でのコミュニケーションに使われることが一般化しており、近年は40代以上の利用者も増加傾向にあります。

画像や動画を使った発信に適しており、テキストのみの発信には向きません。拡散性はないものの「発見」タブやハッシュタグ、位置情報タグを見に行くユーザー行動とアルゴリズムが組み合わさって、関心を持つ人に合った投稿が表示されやすい特徴があります。SNSマーケティングにおけるプラットフォーム選定には重要視され、当社でも多くの企業の支援実績があります。

投稿を表示するアルゴリズムに関しては現在数千のシグナル(データ)で構成されていますが、共通して重要なのは、いいね!やコメント、保存など、ユーザーとの親密度の判断指標となるエンゲージメントです。そのためにはユーザーに有益な情報だと感じてリアクションしてもらうこと、企業アカウントには世界観を統一したうえでより視覚的に訴えるクリエイティブにすること、ハッシュタグ選びやPDCAを回して改善していくことがSNSマーケティングにおける活用として重要です。

※1 Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破丨Meta Newsroom丨2019年6月7日丨https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/

X

Xの月間アクティブユーザー数は6,650万(※2)、主な利用者の年齢は10~30代ですが、それ以上の年齢層の利用も年々増えています。リアルタイムの情報が早く流れること、リポストによる拡散性が高いことが大きな特徴です。最新や話題の情報、日常生活に関するリアルな情報、興味に特化した情報、いずれの発信も多い傾向にあります。テキストだけでなく、画像や動画を用いた発信も可能です。

近年公開されたXのアルゴリズムによると、投稿への滞在時間が多いことやポストに返信されること、その返信に対してさらに返信やリポストをすることで、インプレッション増加につながることが示され、時間やユーザー同士の会話に対する指標が重視されています。企業アカウントには、ユーザーとのコミュニケーションの量・質を高めるアクションをとることを推奨しています。

※2 Xの国内MAU「6650万人」に Instagramを僅かにリード【SNS定点観測】丨日経クロストレンド丨2024年2月29日丨https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00840/00011/

Facebook

Facebookの月間アクティブ利用者数は2,600万人(※3)、30~50代の利用が多く若年層は少ないプラットフォームです。実名登録が多いSNSであるためリアルなつながりやビジネスでの利用もあり、地域や興味関心ごとをテーマにしたコミュニティ利用が特徴です。他のSNSに比べると広告のターゲティング精度が高いことはFacebookならではといえます。またアルゴリズムによって表示される情報が制御されており、そのため拡散性はあまり期待できないことも特徴です。

※3 フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー丨CNET Japan丨2019年7月8日丨https://japan.cnet.com/article/35139021/

LINE

LINEの月間アクティブユーザー数は9,700万(※4)、幅広い年代のユーザーが利用しています。日本国内の人口の約70%が利用しており、もはやインフラとも呼べる普及率は他にない強みです。

CRMツールとの連携も可能で、個別のコミュニケーションやクーポン配信などに適しており、顧客のロイヤルティ向上やリピーター獲得に向いているSNSです。拡散性や1投稿あたりの情報量は限られる一方、伝えたい情報を1対1のコミュニケーションで伝えることができます。

※4 LINE広告とは丨LINEヤフー for Business丨2024年3月末時点丨https://www.lycbiz.com/jp/service/line-ads/

YouTube

YouTubeの月間ユーザー数は7,120万(※5)と、10~50代の70%が日常的に利用しています。動画のコンテンツが基本となるため、画像やテキストのみのコミュニケーションには向いていません(コミュニティ機能を除きます)。動画のコンテンツ制作に一定のコストと時間が必要になりますが、動画によって十分な情報を伝えられる・ビジュアルを用いてわかりやすく表現できる点はメリットであり、理解促進に効きます。

※5 2023 年の YouTube 視聴はますます多様に —— テレビデバイスで月間 3,800 万人、ショート動画も前年度より加速丨Think with Google丨2023年10月丨https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2023-2/

TikTok

TikTokの月間アクティブユーザー数は約1,700万まで増加し(2021年8月時点丨App Annie Japan 株式会社調べ)、特に10~20代の利用率が高いプラットフォームです。YouTubeと同じく動画のSNSで、3分までの短尺動画をアップロードすることができ、多くのエフェクトやフォーマットが用意されています。ユーザーの興味関心に最適化された「次に好きなもの」をレコメンドする独自のアルゴリズムで、スマホ画面全体に動画が表示される視認性・没入感の高さが特長です。近年では企業アカウントの開設や利用が増えています。

SNSマーケティングの進め方

続いては、SNSマーケティングの進め方をステップ別にご紹介します。

1.目的・目標の設定(KGI・KPI)

まずは、SNSマーケティングの目的を明確にしましょう。企業ではさまざまな施策を同時に行うため、マーケティング活動の最終目標となる「顧客獲得・売上拡大」には多くの要因が絡みます。それらを念頭に置き、SNSマーケティングの目的を定めることがポイントです。

また、「SNSマーケティングの効果で商品がどれだけ売れたのか」を測定することは難しいため、以下のように「消費者の意識や態度変容にどれだけ影響を与えたか」を目的に設定することが推奨されます。

  • 好意度の向上:ブランドや商品、サービスを好意的に感じる人を増やす
  • 購入意向の向上:機会が訪れたら商品やサービスを購入したいと感じる人を増やす
  • 想起率の向上:「◯◯といえば△△」と、自社の商品やサービスを想起する人を増やす

続いて、SNSマーケティングの目的に起因する指標をKGI(重要目標達成指標)に、KGIに影響を与える測定可能な具体的な指標をKPI(重要業績評価指標)に設定します。KPIは月に1回などの頻度で測定できる指標を置き、KGIはアンケート調査などで年に1回などの頻度で測定できる指標を置きます。

2.ターゲットの決定

SNSマーケティングのターゲットは、誰に対して上記の目標を達成するのかを考えます。商品の既存顧客、商品の認知度が低い消費者(未来の顧客にしたい若年層など)、競合のシェアが多い消費者などが大まかな切り口として考えられます。

そこから年齢や性別、居住地といったデモグラフィックに基づく区分で具体化していくだけでなく、「トライブ」と呼ばれるサイコグラフィックに基づく区分でも詳細に検討します。トライブとは、共通の興味・関心ごとや文化を形成する集団(◯◯好きの人たち)のことを指し、Instagramでの「#料理好き」といったハッシュタグのつながりが想像しやすいのではないでしょうか。

さらに、ターゲットの代表的な人物像をペルソナとして設定し、SNSマーケティングを活用した、より具体的なコミュニケーション戦略を立案することも重要です。

3.プラットフォームの選定

ターゲット層が利用しているプラットフォームを選定します。 上で挙げたSNSの特徴を理解して選定しましょう。

4.コンテンツ戦略

SNSマーケティングでも、ターゲットの興味・関心に合わせたコンテンツを企画・制作します。SNSで目にとめてもらい、できるだけ表示時間を増やし、エンゲージメントやクチコミをしてもらうようなコンテンツをテキスト、画像、動画、ライブ配信などの形式で考えます。コンテンツ制作にAIを活用することも検討できますが、それぞれのSNSのポリシーや著作権の侵害にあたらないように徹底して注意しましょう。

5.運用体制とオペレーションの構築

SNSマーケティング戦略で策定したSNSアカウントの運用をどのように行っていくかを決めていきます。運用のマニュアルや投稿コンテンツについて決める編集会議の実施、コンテンツの制作方法や注意点、投稿の方法(ツール利用)などを決めることで、属人化を防ぎ、運用を効率化し、引き継ぎの際にも役立ちます。

※関連記事:SNS運用の教科書丨大事なポイントをまとめて解説【保存版】丨https://www.tribalmedia.co.jp/note/socialmedia-marketing-210408/

6.広告活用

各SNSの広告枠を利用し、より確実に情報を届けることができます。広告の種類はSNSごとで異なり、SNSマーケティング戦略で定めた目標達成のために取捨選択することが必要です。

7.効果測定

KPIで定めた指標は、1カ月に1度の頻度などで定期的に分析します。効果の高い・低いコンテンツがあれば要因を分解し、次なるコンテンツ企画、制作時に活かしたり、ユーザーからの反応を分析してコミュニケーション戦略を改善したり。SNSマーケティングにおいても、戦略にあわせた目的・KGI・KPIを振り返ることと、改善策や新しい施策を定期的に考えることを必ず行います。

SNSマーケティングを成功させる4つのポイント

SNSマーケティング成功のための4つのポイントをご紹介します。

SNSマーケティングの立ち位置を明確にする

SNSマーケティングはマーケティングコミュニケーションのひとつの手法にすぎません。事業や商品を取り巻くマーケティング課題を解決するためには、業界や企業、商品の特性などを適切に判断し、売上に大きな影響を与えている変数から戦略と手法を具体化することが望ましい考え方です。SNSを活用する、クチコミを増やす、フォロワーと会話をするという点だけに注目しすぎず、会社全体のマーケティング戦略の中でSNSマーケティングの立ち位置を明確にし、取り組むことがポイントです。

当社が推奨する『売上の地図(※9)』を参考にマーケティング課題と課題解決のための戦略を整理してみてください。

売上の地図

※9 『売上の地図』は、当社 代表の池田が25年のマーケティング実務の集大成として体系化した、売上に影響を与える主要変数の構造化スキームです。

フォロワーと中長期的な関係構築をはかる

SNSマーケティングでは、フォロワーと中長期的な関係構築をはかり、それをベースに瞬発的な盛り上がりをつくるキャンペーンを組み合わせることがポイントです。キャンペーンだけの場合、1~2カ月の広告出稿が終わってしまうと消費者との接点がなくなってしまいますが、企業アカウント運用で常時つながっていることができれば、意向形成や想起率の向上という目的達成に近づけることができます。

迅速で丁寧なコミュニケーションを行う

SNSのコメントやメッセージには迅速に返信し、ユーザーとの交流を深めましょう。例えばXのアルゴリズムでは、コメント返信はリポストの75倍の評価をされ、新しい投稿のほうが評価されやすいです。そのため、具体的にはコメントを獲得しやすい投稿を行い、6時間以内にはコメント返信すると良いでしょう。営業時間内にコメント返信までを行うには投稿時間が限られることもあると思いますが、特に評価を期待する投稿があれば試してみてはいかがでしょうか。

瞬時にクチコミが思い浮かぶコンテンツを発信する

SNSの企業アカウント運用においては、ターゲットの興味・関心に合わせた「有益」「面白い」「共感できる」 コンテンツを企画・制作することが重要です。クチコミを増やしたい企画においては、投稿を見たときに瞬時にコメントが複数思い浮かぶか(クチコミされる可能性があるか)、を評価軸にすることをおすすめします。

SNSマーケティングを行う際の注意点

SNSマーケティングを行う際には以下の点に注意しましょう。

短期的な成果を求めない

商品が消費者の想起集合に入り続けるには、継続的な企業アカウント運用によってRFEを獲得し続けることが欠かせません。RFEとは、Recency(最近の接触)、Frequency(頻度)、Engagement(感情的な関わり)の頭文字をとったものです。SNSマーケティングに投下できる予算が膨大である場合を除き、運用を開始して数日、数カ月では効果が出ないのが現状です。SNSマーケティングが強みを発揮するのは中長期的に生活者との関係性を構築し事業成長につなげる “明日の売上づくり” です。短期的ではない目線での取り組みが求められます。

炎上リスクに備える

どれだけ担当者が注意して情報発信をしていても、炎上してしまう場合があります。そんなつもりはなかった……という場合でも、気づいたときには止められず、企業イメージが損なわれる可能性があります。投稿日や内容、表現にまつわる注意点を決めておくことはもちろんですが、炎上リスクを0%にすることは難しいと捉え、SNSで炎上した場合の社内フローや対応方法を決めておくことが求められます。

「売上」への効果測定が難しい

SNSマーケティングによって商品がどれだけ売れたかという効果測定は困難です。すぐに、または直接的に売上につながる施策は検索連動型広告などのWeb施策や、チラシや値引きなどの店頭での販売促進施策です。SNSマーケティングは、エンゲージメントが向上すれば消費者の意識や態度が変わり、行動が変わることから、売上が増える影響が高まります。そのためSNSマーケティングの目的は売上ではなく、計測可能な指標を設けることが望ましいです。

人材育成と引き継ぎが不可欠

 効果的なSNSマーケティングを実施するためには、専門知識を持った人材が必要です。ここ数年ではインハウス(代理店に運用代行を依頼するのではなく自社内)での運用が増えていることから、自社内での最新情報のキャッチアップやノウハウの定着化が求められています。一方、社内にノウハウが溜まってきたところで担当者が部署異動となってしまう場合もあるため、継続的な人材育成と引き継ぎの重要性について社内で合意形成をとり、代理店やパートナーと連携していくことが重要です。

近年のSNSマーケティングの傾向

動画・音声コンテンツの台頭

YouTubeやTikTokなどの動画中心のプラットフォームにユーザーが定着し、Instagramもリールの活用が活発化しています。ラジオやポッドキャストが聴けるradikoは月間ユニークユーザー数が900万に達し(※6)、民放の全ラジオ番組を聞ける有料サービスは2014年から右肩上がりに増加しており、SNSマーケティングにおいても動画や音声のコンテンツが注目されています。

※6 月間ユニークユーザー数約900万人、スマートフォンやパソコン等でラジオを聴ける「radiko」日本全国のラジオ局が聴き放題のサービス『ラジコプレミアム(エリアフリー聴取)』の会員数が100万人に到達!丨株式会社radiko丨2022年8月30日丨https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000007490.html

ライブ配信の有用性

ライブ配信はリアルタイムでユーザーとコミュニケーションをとることができ(質問に対して回答するなど)、エンゲージメントを高めるのに効果的です。特にVTuber・バーチャルライバーにはファンダムが多く(※7)、日常的にライブ配信を行っていることから、自身の言葉でファンを喜ばすことに長けています。SNSマーケティングでもこうした方々を起用したプロモーションも近年注目を集めています。

※7 ファンダムとは、エンターテインメントの分野に対して深い愛情を持ち、熱心に支持をしながら積極的に交流や活動を行う集団、および文化を指します。

インフルエンサーマーケティングの成熟

サイバー・バス/デジタルインファクトによると、国内のインフルエンサーマーケティングの市場規模は2023年と2027年を比較すると約1.8倍に増加する見込みです(※8)。インフルエンサーにはフォロワー数が多く発信力のある方から、フォロワーの意識や行動を変えるような影響力のある方など、さまざまな方がいらっしゃいます。第三者からの発信は信頼性があることなどから、SNSマーケティングにおいてもインフルエンサーによる紹介によって購買する方が多くいます。目的を正しく定めたうえで活用することが重要です。

※8 2022年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査丨サイバー・バズ/デジタルインファクト丨2022年11月1日丨https://www.cyberbuzz.co.jp/2022/11/post-1791.html

クチコミの重要性

Googleが提唱する「ZMOT(ゼロモーメント・オブ・トゥルース)」によると、消費者は商品を買おうと店舗に行く前にWebやSNSで検索をしたり、先に購入した人の声を見たり聞いたりしながら商品を比較・検討していることがわかっています。こうした来店前の情報収集段階で、消費者は実際に商品を購入した人の感想や評判を材料に検討を進めます。つまり、クチコミがブランドや商品の購入意向形成に強い影響を与えていることから、SNSマーケティングにおいてもクチコミ(UGC:ユーザー生成コンテンツ)が重要視されています。

SNSマーケティングにおける運用課題の顕在化

若年層に人気な「BeReal」やMeta社による「Threds」など、新興SNSが次々に登場しています。また、InstagramやXの企業アカウント開設から一定の時間が経過していることから、すでに運用しているアカウントとの差別化や運用目的、ターゲットの策定と見直しに迫られている企業も多いのではないでしょうか。

当初想定していたより運用負荷と予算がかかっている、運用効果の可視化と社内承認が困難、インハウスでの運用を開始したが別業務との兼務により手が回っていない、結果運用が止まってしまっている……そうした企業には、事業課題を踏まえたマーケティング戦略において、誰に向けて何をするべきで、SNSをどの位置づけとするか、どの指標を追っていくのかなどのSNSマーケティングの戦略が必要です。

SNSマーケティングの成功事例

最後に、当社のSNSマーケティング事例を3つご紹介します。

Duolingo, Inc.

https://x.com/Duolingo_Japan

無料語学アプリ「Duolingo」は、Xを利用している幅広いユーザーをターゲットとしながら、Xで話題になることでプレゼンスを上げ「楽しく、無料で、効果的」であるという認知拡大を目的に運用しています。

X上のミーム(流行りのネタ)やトレンドを意識した投稿企画やアクティブコミュニケーション、キャンペーンによって、クチコミやフォロワーを継続的に増やしています。

※関連記事:X(旧Twitter)上でのプレゼンス向上に寄与。ミーム・トレンドを意識した戦略策定と運用・キャンペーン支援(Duolingo, Inc.)丨https://www.tribalmedia.co.jp/works/duolingo/

ベル ジャポン株式会社

https://www.instagram.com/kirijp_cp

クリームチーズのブランド『キリ』のSNSアカウントでは、よりブランドや商品を身近に感じてもらうための企業アカウントを目指しています。

コロナ禍に実施した「おもいっキリご自愛キャンペーン」はXとInstagram双方で実施し、Xキャンペーンではおうちでの至福のひとときに食べたいアレンジレシピについてのクチコミ獲得を狙い、ハッシュタグをつけたポストを促進。Instagramでは、『キリ』のファンで影響力のあるインフルエンサーによるライブ配信を行い、おすすめレシピをご紹介いただきました。

キャンペーンによって、年間クチコミ数の2.5倍以上を1カ月で創出することに成功し、好意的なブランドイメージの形成と、購入意向の向上に貢献しました。

※関連記事:インフルエンサー施策、プロモーション・PR、Webサイト制作、Instagram運用(ベル ジャポン株式会社)丨https://www.tribalmedia.co.jp/works/bel-japon/

損害保険ジャパン株式会社

https://www.instagram.com/sompo_japan_official

同社のInstagramアカウントでは、20~30代女性をターゲットとして「トレンド感」を意識した投稿をしたり、クチコミを活用したりしています。また、公式マスコットキャラクター「ジャパンダ」を活用したクイズやお楽しみコンテンツのほか、ユーザーにとってのお役立ち情報などを発信し、エンゲージメントを獲得しています。

※関連記事:Instagram運用(損害保険ジャパン株式会社)丨https://www.tribalmedia.co.jp/works/sompojapan/

まとめ

本記事では、SNSマーケティングの有効性や代表的なSNSプラットフォームの特徴、具体的施策や進め方、そして成功事例までを幅広く紹介しました。現代においてSNSマーケティングは、ブランド認知向上やエンゲージメント強化といった重要な役割を担います。そのためには、SNSマーケティングの立ち位置やKGI・KPIの明確な設定が不可欠です。中長期的な視点でユーザーやフォロワーとコミュニケーションをはかり、ブランドの好感度と想起率を高めましょう。

当社ではSNS黎明期から培った豊富な知見とノウハウを活かし、マーケティング課題の整理から戦略策定、企画実行、効果測定まで一気通貫でご支援いたします。特定の施策のみなど、スポットでの支援も可能ですので、お悩みがございましたらぜひご相談ください。

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