メンズメイクは何をする?手順やおすすめアイテム、市場の可能性について解説!
昨今、女性だけでなく男性においても、美容の話題をよく耳にするようになりました。以前から、洗顔や化粧水などのスキンケアを中心とした美容の話題は男性においても定番化していましたが、現在の流れは以前とは少し違います。
ハイブランドがメンズメイクの商品を発表したり、新しいメンズメイク用のブランドが生まれたり、メンズメイクのテクニックやアイテムを紹介するYouTube動画が増えてきたりしています。
スキンケアを超えた「メイク」領域までメンズ美容の商品や発信が増えていますが、持続的な文化となっていくかどうかは、情報の受け手たる生活者側が主体的に受け止め、会話や行動の中に採り入れられるかどうかにかかっています。
果たして、メンズメイクは令和を通り過ぎる風なのでしょうか。それとも、世の中の空気を構成する1つの成分になっていくものなのでしょうか。
今回はメンズメイクは具体的にどんなことをするのか、必要な手順や商品アイテムをご紹介します。そしてソーシャルメディアでうまれたクチコミの観測を通じ、今後のメンズメイク市場について考察してみたいと思います。
ぜひ最後までご一読ください。
メンズメイクとは?
メンズメイクは、男性の美意識の高まりやSNSでの情報発信の活発化によって生まれた、男性の身だしなみの1つです。
元々洗顔や化粧水などを中心とした「メンズスキンケア」が話題となっていましたが、スキンケアの枠を超えて、日常的な身だしなみ文化として定着しました。
昨今は、K-POPアイドルの流行によって若い世代を中心に興味を持つ人も増えています。
では、「メンズメイク」は、人々の間でどれほど語られているのでしょうか。

2017から2019年まで、3年間のツイート数を追ってみると
2017→2018年:約1.8倍(前年対比)
2018→2019年:約3.1倍(前年対比)
と、加速度的に増えてきていることが分かります。
そして、2018年以降「メンズスキンケア」のクチコミ数を超え、「メンズメイク」が話題の中心になっているのは注目すべき兆候です。
「メンズメイク」の年間ツイート数をもう少し細かく見てみると、2019年も前半から後半にかけて大きく伸びていることが分かります。

メンズメイクのメリット
メンズメイクにはいくつかのメリットがあります。
1.自己肯定感の向上
肌の悩みをカバーしたり、理想の自分に近づくことで、自己肯定感を高めるきっかけになります。ビジネスやプライベートにおいても自信を持って行動できるようになります。
2.好印象を与える
清潔感のある肌や整った眉は、相手に好印象を与えます。特に、ビジネスシーンでは、第一印象が重要となる場面も少なくありません。メンズメイクは、相手に信頼感や安心感を与えることも期待できます。
3.新しい自分の発見
メイクを通じて、新しいファッションやヘアスタイルに挑戦するきっかけにもなります。自己表現の幅を広げることができるでしょう。
メンズメイクは何をすればよい?
では具体的にメンズメイクはどんなことをすればよいのでしょうか? メンズメイクの工程は大きく2つに分けることができます。
まず初めにベースメイク、その後に行うポイントメイクの2つです。ベースメイクは肌を均一に見せ、さらに紫外線や乾燥などから守るためのメイクです。ポイントメイクは目や口などに色や陰影をつけて顔の印象を決めるメイクです。
メイク初心者やビジネスシーンのみで使う場合は、ベースメイクだけでも違和感なく自然なメイクで仕上げることができます。以下でそれぞれのメイクの手順をご紹介します。
ベースメイクの手順
ベースメイクには主に以下の手順で行います。
- 髭剃り・スキンケア
- 化粧下地
- ファンデーション
- コンシーラー
- パウダー など
男性の場合は髭が伸びているとファンデーションやコンシーラーなどがうまくのらないため、まずはひげ剃りをすることがおすすめです。化粧水や乳液を塗るなどのスキンケアをすることで、肌がきめ細かくなり化粧のりが良くなります。
コンシーラーを塗ることで目の下のクマや肌のシミなどファンデーションでは隠しきれない部分を隠すことができます。
より本格的に仕上げるには、化粧崩れを防ぐためにルースパウダーを塗ることをおすすめします。
ポイントメイク
ポイントメイクは主に以下です。順番の指定は特にありません。
- アイシャドウ
- アイライナー
- アイブロウ
- リップ など
アイブロウは眉毛の流れを整え、足りない部分を補うことで、清潔感のある印象を与えることができます。メンズメイクでより本格的なアイメイクをするにはアイシャドウやアイライナーのほかにマスカラを使用する場合もあります。

メンズメイクに注目のおすすめアイテム
メンズメイクに必要なアイテムと女性のメイクアイテムとで大きな違いなどはありません。しかし普段からメイクをしていない人にとっては全て揃えるにはハードルが高いかもしれません。そこでここでは注目度の高いメンズメイクのおすすめアイテムをマーケティングの観点からご紹介します。

ファンデーション、そしてBBクリームの件数がとても多く、固有の箇所のカバーやメイクアップ以上に、メイクの中でも全体に関わるアイテムへの注目度の高さが伺えます。
1.BBクリーム
そもそも「BBクリームとは?」という方もいらっしゃると思いますが、BBクリームのBBは、ブレミッシュバーム(Blemish Balm)の略です。Blemish(傷)を隠すBalm(軟膏)という意味です。
化粧下地やファンデーション、コンシーラーなどの機能をオールインワンで兼ねそろえたアイテムで、メンズコスメとしてさまざまなメーカーが展開を進めています。
使い方も簡単で、ポイントメイクは複雑で難しくても、「とりあえずBBクリームを塗っておけばよい」ことから、男性にも浸透しやすそうなアイテムです。
そして、メンズメイクの工程の中でも特に語られる量の多かった「ファンデーション」と「BBクリーム」について、直近3年のツイート数の推移を調べてみたのが以下のグラフです。

「ファンデーション」のツイート数が経年であまり変化していないのに対し、「BBクリーム」のツイート数が2年前から10倍に伸びているのは興味深い事実です。
しかし、なぜ「BBクリーム」はこんなにも伸びているのでしょうか。
どのように語られているのかを知るために、「BBクリーム」が2019年にどのような言葉と語られていたのかを調べてみました。

「女性」や「好感度UP」といった言葉とともに語られるのは、外見をよりよく見せようというポジティブなマインドに起因していそうです。
一方、「青髭」や「目の下」、「口周りシワ」、「頬の肌荒れ」などの言葉からは、気になるポイントをカバーする存在としてもBBクリームが捉えられていると推察できます。
もともと男性の関心事としてあった「スキンケア」の延長として「メイク」への関心が高まっている側面が強く、BBクリームが「メンズメイク」の門戸を開く役割を担ってきたと言えるかもしれません。
ただ、商品やブランド単体ではなく「メンズメイク」という文化が深く根付くかどうかは、「ファンデーション」や「BBクリーム」などの後の工程にまでみんなの関心が高まっているかどうかに鍵があると考えます。
2.シェーディング
「シェーディング」とは、肌より少し暗い色を肌にのせることで、顔の彫りを深く見せたり、鼻を高く見せたり、顔の輪郭をシャープに見せたりするようなアイテム、およびその工程を表します。
まだ総量としては多くないものの、経年で大きな伸び率を見せたのが「シェーディング」です。
この2年間で4倍にまでツイート数が増えていて興味深いです。
また、「シェーディング」ほどの割合ではないですが、肌より明るい色を塗ることで顔のメリハリを強める「ハイライト」についても2年間で1.4倍の伸びを見せています。
また、アイメイク関連アイテムにおいて「アイシャドウ」のツイート数が総量として多いものの、目の印象を整える「アイライナー」が経年で増加傾向な点も、アイメイクが少しずつ浸透してきていると推察されます。


メンズメイク市場の可能性
ここまで、「メンズメイク」が実際にどのように受け入れられているのかを明らかにすべく、X(旧Twitter)のクチコミを観測してきました。
ツイート数としては「メンズメイク」が「メンズスキンケア」を追い抜き、勢いを感じることができる結果を確認しましたが、「BBクリーム」の伸びからは、まず「スキンケアの延長としてのメイク」を感じさせる側面がありました。
これだけであれば、「メンズメイク」の浸透は新たな「BBクリーム」の登場とその流通に留まっていたかもしれません。
しかし、「シェーディング」や「ハイライト」のようなメイクを理解していないと触れることのない少し深い階層の商品、ポイントメイクとして使用する「アイライナー」などのツイート数の増加からは、「メンズメイク」が広がりつつも深まり始めていると示唆されています。
「メンズメイク」はさまざまなコスメを活用した「行為の束」であり、行為の多様化の萌芽が見えてきていることは、「メンズメイク」という文化がまだこれから発展をしていく段階であることを表していると考えます。
まだまだ「メンズ」に特化した商品のカテゴリーは限定的です。
そして、既存の女性用にデザインされたコスメを男性が学び、活用を始めた段階です。
さまざまな男性向けコスメのアイテムカテゴリが拡充されたり、既存のコスメのマーケティングのターゲットが男性になったりしていくと、「メンズメイク」の浸透はより加速していくのかもしれません。
※1 オーガニックツイートは、リツイートなどによって拡散されたツイートを除き、一次発信されたツイートのみを指します
※2 本記事において「2017年」は2017年4月~2018年3月、「2018年」は2018年4月~2019年3月、「2019年」は2019年4月~2020年3月を指します
※本記事のデータは全て、ソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を活用して算出しています(ブームリサーチは2024年12月31日をもちましてサービスを終了しました)
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