市場動向の把握から商品開発、採用活動まで。カゴメが目指すクチコミ活用とは?
作成日:2020年2月5日
今回は、トライバルメディアハウスが提供するソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を導入いただいているカゴメ株式会社(以下、カゴメ)のマーケティング担当のお二人に、導入のきっかけや活用方法を聞いてみました。
カゴメ株式会社
東京本社 マーケティング本部 広告部 宣伝グループ 細川 和紀さま
お気に入りの商品は「トマトケチャップとONEDAY」
東京本社 マーケティング本部 広告部 宣伝グループ 高橋 由貴乃さま
お気に入りの商品は「GREENS」
ーーまずは、お二人の業務内容を教えてください。
細川:私は、主にカゴメのマーケティングの基盤となる仕組みの構築を担当しています。具体的には、市場調査や広告の効果測定、BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)の導入、DMP(データマネジメントプラットフォーム)の活用などです。また、自社のソーシャルメディアアカウント運用や2019年4月にスタートした次世代を担う若者をスポンサードするプロジェクト「GO!ME.」プロジェクトの担当として、プロモーションやコミュニケーション戦略を考えています。
ーー業務の幅が広いですね。ソーシャルメディアはどのアカウントを担当しているのですか?
細川: X(旧Twitter)、Instagram、LINE、Facebookの公式アカウントです。2018年まではどれもキャンペーン用のアカウントとして運用していましたが、2019年からカゴメという大きいブランドの中で統合させて運用を開始しました。
ーー高橋さんはいかがでしょうか?
高橋:私は現在2年目で、さまざまな業務のサポートをしていますが、主にカゴメのホームページと自社メディア「VEGEDAY」のサイト管理・運営を担当しています。
私たち宣伝グループは「お客さまを知るプロフェッショナル集団になる」というテーマを掲げています。これまでは“商品主語”でマーケティングをすることが多かったのですが、これからはもっと“お客さま主語”で『お客さまはいま、何を求めているのだろうか?』『どんなコミュニケーションが喜ばれるだろうか?』を一番に考えながら、各担当が業務に取り組んでいます。
ーーなるほど。では、お二人の業務内容が分かったところでブームリサーチを導入した経緯を教えていただけますか。
細川:きっかけは、2013年に野菜飲料(野菜ジュース)市場の低迷と合わせて、『野菜飲料は糖分が多いのでは?』とSNSなどで話題になっていたことでした。『そういったクチコミは何件あるのか?』『どんな人がクチコミしているのか?』を把握したいと思い、2014年から導入しています。他社のソーシャルリスニングサービスも検討しましたが、簡単かつ即時にクチコミを把握・分析できるサービスとして一番使いやすかったブームリサーチを選びました。
当時は「野菜飲料」や商品に対するネガティブなクチコミが多かったのですが、いまでは自発的に野菜飲料の価値を伝えてくれるカゴメのファンも増えてきているように感じています。
ーーファンを可視化するのにも役立っているんですね。そういったファンを増やすために、どのような施策を行っていますか?
高橋:野菜飲料を飲む価値を正しく理解してもらえるよう、キャンペーンやオウンドメディアを通して情報を発信したり、医師や栄養士に啓発活動を行ったりしてきました。そうした取り組みを通して、少しずつファンが増えてきたと思います。
ーーブームリサーチでは、どの機能をよくご利用いただいていますか?
細川:「トレンドの検索」と「ダッシュボード機能」、「アラート機能」をよく利用しています。
「トレンドの検索」は、キャンペーン実施後の効果測定時に活用しています。SNSキャンペーンやニュースリリース配信、TVCMが放映されたタイミングで、お客さまには何が刺さったのか、どう感じてもらえたかをクチコミを通じて把握しています。
また、自社やブランド、商品に関する投稿件数やポジティブ・ネガティブのクチコミの割合、内容を把握するのにも役立っていますね。
定点で把握している項目については、「ダッシュボード機能」で管理しながら「アラート機能」を活用しています。アラート機能は、クチコミが多く発生した場合にアラートメールを送信してくれるので、リスク管理の観点でも助かっています。
ーークチコミの結果は、チーム内や社内でどのように活用しているのでしょう?
細川:まずは、クチコミが把握できるようになったことで『つぶやかれる要素ってなんだろう?』と社内で考える機会が増えましたし、キャンペーンなどの企画時には『これはどのようにつぶやかれるだろう?』と検討するようになりました。
最近実施した例でいうと、人気アニメとコラボした際にアニメの細かい設定をふまえてプロモーションや動画を設計したことで、そのアニメファンが反応してくれて、大きく話題になりました。また、Xと親和性が高い声優さんなども積極的に採用していますね。
ーーアニメや声優のファンの皆さんは、細かい部分までとてもよく見ていますよね。
細川:そうですね。自社のファンだけでなく、活用する作品のファンや世界観も大切にしたいと思っています。
他にも、営業の観点では、テレビ露出によるSNSでの反響や、SNS上で話題となっているクチコミ内容を店頭のPOPや商談資料へスピーディに活用するようにしています。例えば、「カゴメトマトジュース」と甘酒を混ぜたレシピや「野菜一日これ一本」を使ったカレーレシピが話題になった際は、可能な範囲で商談資料に掲載して、店頭に反映してもらうことで、売上に貢献できるようにしています。
SNSではどのタイミングで火がつくか分かりませんが、話題をクチコミ件数という数字で見える化できると説得力がありますね。レポートまでをスピーディに作成できる部分もとても助かっています。
話は変わりますが、2018年には興味深いこともありました。カゴメの新卒採用ではエントリーシート選考に落ちてしまった学生に、応募してくれたお礼として御礼状とカゴメの商品をプレゼントしています。
これまでも実施していたんですが、2018年にSNSで突然話題になったんです。このプレゼントを企画してくれているスタッフや広報に知らせたところ、ちょうど企画の効果を求められていたタイミングだったようで、とても喜ばれました。
学生が高く評価してくれていると分かり、継続して実施することが決まったそうです。こういったことはアラート機能を活用していたからこそ気づけたケースですね。その他にも、商品に対するクチコミなどはその都度社内の部署やグループにメールで共有しています。
ーーそのエピソードは私たちとしても嬉しいです! 最後に、今後さらにクチコミを活用して挑戦したいことがあれば教えてください。
細川:今後のクチコミ活用については、3つ考えています。
まずは、SNS運用への活用です。話題になる投稿やハッシュタグが何なのか、他社はどんな発信をしているのかを自社でも研究して自社アカウントでの投稿に活かしていきたいと思っています。
2つ目は、商品開発への活用です。いまでもブランドに関するクチコミの関連語(ブランド名や商品名と一緒に語られているキーワード)を半年ごとに収集しているのですが、商品の味に対する声や飲用シーンの分析をさらに精度高く行うことで、もっと商品開発などに活用していきたいです。
最後は、市場や販売動向の把握です。世の中における野菜飲料というカテゴリーや商品に関する情報の流通量を把握するうえで、SNSのクチコミは指標の1つになると考えています。
市場や販売動向の把握をしっかり行ったうえで、ブランドや商品に関するクチコミ件数が少なければ増やす施策を考え、多く溢れているのであれば既に話題になっていることをどうPRに活用するか検討できるので、コミュニケーション戦略を考える際にも参考になりますね。
実は「野菜生活100」や「カゴメトマトジュース」のクチコミ件数は、以前に比べて減っていることが分かっています。クチコミ件数と売上に相関があることが論文で報告されているように、どのように今後増やしていくのかを社内でもディスカッションしていきたいです。
ーー細川さん、高橋さん、ありがとうございました!
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