オリオンビール売上拡大のためのマーケティング戦略策定とプロモーションを支援。購入意向・購入者の上昇が明らかに
オリオンビール株式会社オリオンビール株式会社は、沖縄を中心に国内全域で展開する酒類清涼飲料メーカーです。2024年に主力商品である『オリオン ザ・ドラフト』を大幅にリニューアルし、よりスッキリと飲みやすいうまさを追求しています。
この度、当社のコーポレートサイトにお問い合わせをいただき、沖縄県外におけるオリオンビールの想起率の向上、および購買促進のためのマーケティング戦略策定とプロモーションをご支援しました。
本記事の前半では戦略策定についてご紹介し、後半では戦略策定をもとに実施したプロモーションについて、オリオンビール株式会社でマーケティング・PRを担当する大貫氏と、当社 シニアコンサルタントの樋口が振り返ります。
県外での売上拡大のための戦略策定
沖縄県外での売上を増やしたいという課題に対し、当社では県外売上拡大を狙ったコミュニケーション戦略の策定を行いました。
売上の重要変数における「想起のされやすさ(メンタルアベイラビリティ)」と「買い求めやすさ(フィジカルアベイラビリティ)」の中でも、戦略策定では「想起のされやすさ」を高めることにフォーカス。県外における「沖縄」「オリオンビール」の露出による再想起を促進し、配荷を増やしていく流れをつくるための戦略を考えました。本土での売上が大きい大手4社と戦略部分でどう変えていくかという視点で、当社の『売上の地図(※1)』をベースにしたコンサルティング支援を開始しました。
※1:『売上の地図』は、当社 代表の池田が25年のマーケティング実務の集大成として体系化した、売上に影響を与える主要変数の構造化スキームです。
戦略では、誰の再想起を高めるのか(ターゲット)、ターゲットに何を伝えるか(ベネフィット)、どのように再想起を高めるのか(プレファレンス)の3点で詳細を検討しました。
ターゲット・ベネフィット・プレファレンス
ターゲット戦略では大手4社より明確にターゲットを絞り、集中的に資源を投下することに決めました。続けて、ビールにおける機能的ベネフィットは「おいしい」「価格」「好みに合っている」が挙げられますが競合他社と差がつきづらいことから、重視するべきは情緒的ベネフィットと定義し「沖縄感」から得られる気分や感情を重視することとしました。
売上は「認知率」ではなく「想起率(想起集合に入っているかどうか)」で決まり、想起集合はブランドに対するプレファレンス(選好性)によって相対的に決まります。プレファレンスは価格、ブランドエクイティ、製品パフォーマンスの3つから構成され、マーケティングコミュニケーションで向上できるブランドエクイティに影響を与える広告、PR(パブリシティ)、SNSから具体施策を考えていきました。
マーケットシェアが高い4社は購買客数が多く、買う確率(行動的ロイヤルティ)、好意度や購入意向(態度的ロイヤルティ)が高いため(※2)、競合他社と戦うには異なる戦略をとる必要があります。オリオンビール株式会社ではSNSやPR施策によって接触頻度を高め、話題性のあるコンテンツで、絞ったターゲットの再想起率を高めていくことを狙いました。
※2:バイロン・シャープ著『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11(朝日新聞出版)』にある「ダブルジョパディの法則」を参考。
イベント「秒で沖縄に行けるバー by Orion」
ここからは、上記の戦略に沿って実施したプロモーションについて、オリオンビール株式会社でマーケティング・PRを担当する大貫さまと、当社 シニアコンサルタントの樋口が振り返ります。
※引用:渋谷からいける、ゼロ円、ゼロ秒、ゼロカロリーの小旅行「秒で沖縄に行けるバー by Orion」ゴールデンウィークに期間限定オープン丨オリオンビール株式会社丨2024年4月15日丨https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000162.000044607.html
ープロモーションでどのようなことを行ったのでしょうか。
樋口 コミュニケーション戦略をもとに、オリオンビールが持たれているイメージ(=沖縄)を活かした施策を検討しました。プロモーションの企画に際して行った調査によると、GWに最も行きたい旅行先は「沖縄県」が1位で、遠出をしたいと感じている一方、実際には関東近郊の近場を旅先にしていることがわかりました。
オリオンビールが一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の20~60代の男女1,214名を対象に行った「GW国内旅行に関する意識調査」(2024年3月実施)によると、GWに最も行きたい旅先は「沖縄県」が1位となる一方、実際には関東近郊の近場の旅先を予定しており、理想と現実にギャップがあることがわかりました。また、GWを近場で過ごすと回答した人の約7割が「本当は遠出したい」と回答。遠出を断念した理由には、「観光地の混雑」「旅費が高い」が上位にあげられました。
※引用:渋谷からいける、ゼロ円、ゼロ秒、ゼロカロリーの小旅行「秒で沖縄に行けるバー by Orion」ゴールデンウィークに期間限定オープン丨オリオンビール株式会社丨2024年4月15日丨https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000162.000044607.html
この調査結果を受けて、沖縄に行きたいと思っているものの訪れることができない方々に向け、気軽に沖縄の魅力を身近に感じることができるように、プロモーションのコンセプトを「オリオンが沖縄(気分を味わえる空間)を本土に持ってきた」という内容に設定しました。
そして、2024年4月27日(土)~5月6日(月・祝)に、東洋一美しいとされる沖縄県宮古島の与那覇前浜ビーチを再現した沖縄空間で、商品を楽しむことができる新感覚のイマーシブ型(没入型)のバー「秒で沖縄に行けるバー」をオープンしました。
※引用:渋谷の地下空間に、東洋一美しいと称される宮古島のビーチが出現!「秒で沖縄に行けるバー by Orion」4月27日から~5月6日までGW期間中に開催!丨オリオンビール株式会社丨2024年4月26日丨https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000044607.html
企画ではクリエイターのアフロマンス氏に協力を仰ぎ、与那覇前浜ビーチはビデオクリエイターのkoshi-kun氏による波のプロジェクションマッピングを用いて再現。本イベントのために撮影した与那覇前浜の映像を使用し、30分間の中で晴天から夕暮れ時まで景色が変化する様子を表現しました。
他にもインフルエンサーやメディアを誘致するPR施策を組み合わせ、SNSとPR双方での話題化も行いました。
ーどのような成果が出たのでしょうか。
樋口 複数のテレビ番組、250件を超えるWebメディアへの露出もそうですし、予約開始1日で1,000席以上の予約枠が埋まり、イベント当日も想定以上の反響がありました。調査結果では購入意向や1カ月以内の購入者も上昇し、想起率・購入意向の向上に良い影響を与えられたと感じています。
大貫氏 KPIとしていたメディア露出・UGC数において、目標値を超えたことはよい成果だったと感じています。来場いただいたお客さまのSNSでの投稿内容において、好意的な内容が大半を占め、満足度の高いイベントとなりました。事前・事後調査を比較しても、施策認知者における購入意向にポジティブな影響が見られた点も非常によかったです。
スタッフリスト
PM:樋口宗一郎
ディレクター:湯崎陽
SNSディレクター:勝野里緒
プロデューサー:鳴海まい
クリエイティブディレクター:アフロマンス(Afro&Co.)
ビデオクリエイター:koshi-kun
Planning & Creative:Afro&Co.Inc.
サービスのご案内
本ページに記載したのは一例です。トライバルメディアハウスはソーシャルメディアマーケティングの知見をもとに、マーケティングをご支援します。まずは遠慮なくお問い合わせください。
お問い合わせOverview
- クライアント
- オリオンビール株式会社
- 業界
- 飲料・アルコール
- 課題
- 沖縄県外におけるオリオンビールの想起率の向上、売上拡大
- 支援内容
- コミュニケーション戦略の策定、イベント「秒で沖縄に行けるバー by Orion」の実施
- 成果
- イベントはメディア露出の他、1,000以上の予約枠が1日で埋まる反響を獲得。調査により購入意向や1カ月以内の購入者の上昇が明らかに
これまでの実績
その他の
コンテンツ- 私たちの特長
ソーシャルメディアやSNSの黎明期から業界を牽引しマーケティングをリードしてきたトライバルメディアハウスの特長をご紹介します。
- 得意分野
マーケティングにおいて幅広く支援できる私たちの、特に知見と経験が豊富な業界・手法をご紹介します。
- サービス&プロダクト
貴社のマーケティング課題はどこにあるのか特定し、解決策をこちらから提示します。
- 実績紹介
業界問わず毎年数多くのプロジェクトを支援している、私たちの実績の一部をご紹介します。
- ノウハウ
マーケティングに関するノウハウを、明日から使えるTipsとして積極的に発信しています。
- 会社情報
会社概要やコーポレートブランド、働くスタッフなど、トライバルメディアハウスの会社情報をご紹介します。