インスタリールの活用ポイントとは? 美容・化粧品業界の分析結果も紹介

作成日:2021年2月2日
本記事では、前半でInstagramのリール(Reels)の概要や投稿のコツをご紹介し、後半ではトライバルのInstagramチームが53アカウントのリール(Reels)323件を収集・分析した内容をご紹介します。
リール機能の特徴や、Instagramのフィード・ストーリーズとの違い、美容・化粧品業界の企業投稿の分析結果などを通して企業やブランドによる活用のコツをお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
インスタのリール(Reels)とは?
Instagramはこれまで、写真中心のアプリとして認識・利用されてきましたが、2022年現在、数ある動画プラットフォームの中でもユーザーの動画視聴時間は2番目に長くなるなど、動画プラットフォームへと進化しています。
その立役者が2020年8月に追加されたリール機能です。Instagramリールは、最長90秒の短尺動画を作成・編集・投稿することができ、投稿した動画はフィードに表示されるほか、ストーリーズにシェアすることもできます。
ユーザーのリールの視聴時間は、Instagramの利用時間のうち20%以上を占め(※1)、Instagramアカウントの45%超は週に1回以上リール動画にアクションしていることからも(※2)、Instagramの中で重要な役割を果たす機能だと言えます。
※2 参照:リールのスタートガイド記載、Instagram内部データ(2022年2月)丨Instagramリール
リールはInstagramの以下5箇所で表示されます(2022年12月時点)。
1. ホームタブのストーリーズ・フィード
2. 発見タブの一部
3. リールタブ
4. アカウントプロフィール画面のフィードタブ
5. アカウントプロフィール画面のリールタブ


他にも、リール動画に楽曲やハッシュタグ、エフェクトを使っている場合、その楽曲やハッシュタグ、エフェクトをタップした時に開く専用ページにリール動画が表示されることもあります。
インスタリールと他機能の違い(特徴や活用方法など)
Instagramには、リールの他にもフィードやストーリーズなどの機能が豊富にありますが、どのように違うのでしょうか? 以下の画像では、各機能の「できること」「特徴」「表示場所」「主な活用方法」についてまとめました(2022年12月時点)。

表の「主な活用方法」からもわかるとおり、フィードとリールはフォロワーだけでなく非フォロワーにもリーチできる機能ですが、なかでもリールは、リーチ獲得の役割として特に注目されています。
リールには投稿画面でエフェクトやスタンプ、文字(キャプション)を追加することができます。40%以上のリールでエフェクトが使われており、再生される場合は80%以上が「音あり」で再生されることから、動画に音楽やエフェクトをつけることも重要なポイントです(※3)。
このように、音やエフェクトが重視されるリールと、フィード・ストーリーズには以下のような違いがあると言えるのではないでしょうか。
- フィードはフォローするアカウントの「見どころ」をチェックする場所
- ストーリーズはフォローするアカウントの「日常」を見る場所
- リールは幅広いアカウントのエンターテインメントコンテンツを「楽しむ」場所
Instagramは、プラットフォームならではの特徴の一つに「偶発的発見からエンゲージメントまでを創出する」ことを挙げています。フィードに比べても表示場所が多いことから、リールはまさにその特徴を体現しており、非フォロワーへのリーチのしやすさ、アプローチやブランドの認知獲得に貢献することが期待できます。
また、リールはインサイトから「リーチしたアカウント数」「再生数」「いいね! 数」「コメント数」「シェアされた数」「保存された数」などを確認できるので、フィードやストーリーズと同じく効果検証するのをおすすめします。
インスタリールのリーチと再生回数を伸ばすコツ
おすすめに表示されるリールとは
Instagramのおすすめとは、例えばフィードをスクロールすると表示される「おすすめの投稿」、プロフィールに表示される「おすすめ」のアカウント、さらには発見タブ、リールタブなどに表示される投稿などを指します。おすすめに表示されると、さらにリーチや再生回数を伸ばすことができます。
Instagramはおすすめに表示するリールの基準について、ユーザーが以前に視聴または「いいね!」、コメントをしたことがあるリール動画や、フォローしているアカウントに基づいていることを公表しています。このほかにも、以下の内容に沿った動画であることが、おすすめに選定する基準と明記しています。
・創造力をかき立てるものである(例:他の利用者が参加できる新しいトレンドを作る)
・リールの音源ツールを使用してInstagramミュージックライブラリの曲またはオリジナル音源を追加している
・縦向きで撮影されている
・コミュニティに関連のある有意義な出来事を表現している
・多様なバックグラウンドや考え方を持つクリエイターの作品である
※引用:Instagramにはどのような種類のリール動画が表示されますか。丨Instagramヘルプセンター
また、反対に以下のようなリールは表示されにくくしていることも公表しています。
・オリジナルの動画ではない
・政治問題を扱っている
・Facebookのコミュニティガイドラインへの違反(例:ヘイトスピーチや過度な暴力描写を含む)やおすすめに関するガイドラインへの違反がある
※引用:Instagramにはどのような種類のリール動画が表示されますか。丨Instagramヘルプセンター
上記のポイントをリール動画の作り方に反映することに加え、エフェクトやスタンプ、キャプション、音楽などを追加し、ユーザーに楽しんでもらえるような内容にすることが重要です。
動画作成のポイント
ユーザーが動画を観たくなるように、以下の項目を意識して動画を設計いただくことをおすすめしています。これに加えて、フィードやストーリーズに比べてリールならではの広い画面占有率を活かした、商品がはっきりと伝わりやすい動画が好まれる傾向にありますので、ぜひ動画企画や構成の参考にしてください。
・画面切り替えのテンポを早くして飽きさせない
・流行っている楽曲やARエフェクト、スタンプなどを活用する
・動画を繰り返し観たくなる仕掛けをつくる(クイズやお役立ち情報など)
また、2022年6月のアップデートにより、既存のリール動画のテンプレートを使用して、同じ構造で自分のリール動画を作成できるようになりました。そのため、人気のリール動画のテンプレートを参考にして動画を作成するのもよいでしょう。既にあるCM素材や過去の投稿で使用しなかった素材などを活用するのもおすすめです。動画の速度なども簡単に編集できるため、活用の幅がさらに広がったのではないでしょうか。
リールは、通常の投稿だけでなく広告でも活用することができます。出稿したリール動画はリール動画の間に配信され、通常の投稿と同様に「いいね!」やコメント、保存、シェアをすることも可能です。これまでお伝えしたコツやポイントを押さえたリール動画を広告に使うことも視野に入れておくとよいでしょう。
リールの機能や特徴については以上とし、この後はトライバルのInstagramチームが実施した美容・化粧品業界の投稿分析結果をご紹介します。
インスタのリール323件を分析! 美容・化粧品業界53アカウント
今回、分析したアカウント・投稿の概要は以下のとおりです。
・集計したリールは2020年8月1日~2021年1月6日に投稿されたもの
・アカウントのフォロワー数は1,500~550,000(2021年1月7日時点)
・各リールの再生数・いいね数は、2021年1月7日時点の数値
① 再生数

①は、集計した323件のリールを再生数別にしたものです。再生数の平均値は34,631、中央値は16,000でした。もっとも再生数が多かったのは509,000。
323件のうち205件が10,000回再生を超えていたことから、企業やブランドのリールを評価する場合は再生数が10,000回を上回っているかどうかが一つの基準になりそうです。
② いいね数

②は、集計したリールをいいね数別にしたものです。いいね数の平均値は385、中央値は251で、もっともいいね数が多かったのは4,684。再生数が一番多かったリールと同じでした。
③ いいね率(いいね数 / 再生数 × 100)

③は集計したリールの再生数といいね数からいいね率を算出し、いいね率別にしたものです。いいね率の平均値は1.66%、中央値は1.27%。もっともいいね率が高かったリールは27.5%でしたが、再生数・いいね数が一番多かったリールではありませんでした。
いいね率は、再生数に対するいいね数の割合です。いいね数に対して再生数が少ないといいね率は高くなることから、いいね率だけで評価するのではなく再生数やいいね数(実数)とあわせて効果検証をすることが重要です。
④ 再生数といいね数の相関関係
④は、フィードに投稿されたリール 323件の再生数・いいね数を散布図にしたものです。再生数といいね数に相関関係があるかどうか(再生数が多いリールはいいね数も多いのかどうか)を確認します。

再生数が多いといいね数も多いように見えますが、再生数200,000・いいね数1,000に絞り込むと……

いいね数500前後から、点が大きく分散しているのがわかります。また、750いいねを獲得していても再生数が伸びていないリールもあれば(画像内の丸A)、いいね数が0に近いにも関わらず50,000回再生されているリールもありました(画像内の丸B)。
このことから再生数、もしくはいいね数のどちらかが多い場合に、もう片方の数値も必ず伸びるとは言い切れないことがわかりました。
【番外編】フォロワー数と再生数・いいね数の相関関係
アカウントのフォロワー数とリールの再生数・いいね数に相関関係があるかどうかも分析しましたが、今回は確認できませんでした。
フォロワー数が少ないアカウントのリールでも、フォロワー数が多いアカウントのリールと同じか、それ以上の再生数・いいね数を獲得したリールが数多くあり、反対にフォロワー数が多いアカウントの場合でも再生数やいいね数が伸びないケースも見受けられました。
インスタリールの再生数といいね数が多い事例
ピックアップしたアカウントの中から、再生数といいね数が多いリールをご紹介します。商品の特徴やメリットを短い時間で端的に表現しており、驚きや発見などの要素があるのもポイントです。
SABON Japan(サボン ジャパン公式)
https://www.instagram.com/reel/CIVSOEWhapG/
SALONIA(サロニア)
https://www.instagram.com/reel/CI7mGCpBU8W/
Cosme Kitchen/コスメキッチン Official
https://www.instagram.com/reel/CEVqgEUJaBc/
インスタリールの分析結果まとめ
今回収集した323件のリールの各平均値・中央値は以下のとおりです。自社の投稿を評価するための比較対象(ベンチマーク)としてお役立ていただけると嬉しいです。

前半でもご紹介したとおり、リールはリーチ獲得に向いた機能です。リーチ獲得に貢献したかどうかを確認するには再生数が重要なKPI指標になる場合が多いでしょう。
今回リールを分析・考察したInstagramチームは、数多くの企業・ブランドアカウントをご支援しています。興味のある方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。
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