インフルエンサーとは?マーケティング活用時の最適な選び方を解説します
最終更新日:2025-07-29作成日:2021-08-19
インフルエンサーに自社商品などを提供し、主にソーシャルメディアで投稿・配信を依頼する手法を指した「インフルエンサーマーケティング」。
マーケティング手法の1つとして普及していますが、以下のような悩みを抱える方も多いのではないでしょうか?
- 施策にあったインフルエンサーを選んでいるかわからない
- 選び方がわからない
- どんな効果があったのか分からない
インフルエンサーマーケティングの目的を正しく設定し、適切な方法でインフルエンサーを選ぶことで、効果的に実施することができます。
今回は、インフルエンサーとはそもそもどういった人物なのか、マーケティング活用するにあたっての最適な選び方を解説します。
インフルエンサーとは?
そもそもインフルエンサーとは、SNSやブログ、YouTubeなどを通じて特定のコミュニティやユーザー層に対して大きな影響力を持つ個人のことを指します。その発信内容は、フォロワーの興味関心や購買行動に影響を与えることから、マーケティングにおける重要なパートナーとされています。
インフルエンサーは具体的に以下のような特徴をもちあわえています。
フォロワーとの強い関係性 | 親しみやすく、双方向のコミュニケーションを重視 |
特定ジャンルに特化 | 美容・ファッション・ガジェットなどの専門領域を持つ |
投稿内容に一貫性 | ブランドイメージや世界観が明確 |
SNS運用に長けている | アルゴリズムや拡散方法を熟知 |
このような特性から、企業がターゲットとする顧客層に対して効率的かつ自然に情報を届ける手段としてインフルエンサーが活用されています。
一般的なインフルエンサーの分類
インフルエンサーは、一般的にフォロワー数によって大きく以下のように分類されています。
メガインフルエンサー | 100万人以上のフォロワーをもつ著名人・インフルエンサー |
マクロインフルエンサー | 10万~100万人のフォロワーをもつインフルエンサー |
ミドルインフルエンサー | 1万~10万人のフォロワーをもつインフルエンサー |
マイクロインフルエンサー | 1,000人~1万人程度のフォロワーをもち、特定の分野に強い影響力をもつインフルエンサー |
ナノインフルエンサー | 1,000人未満のフォロワー数だが、非常に高いエンゲージメントをもつインフルエンサー |
インフルエンサーマーケティングを実施するにあたり、フォロワー数の多いインフルエンサーをキャスティングすることでより多くの人にリーチさせることができますが、フォロワー数だけで選ぶと期待する効果が得られない場合があるので注意が必要です。以下で解説します。
単なる「知名度の高い人物」「フォロワーの多い人物」ではなく、「特定のジャンルにおいて信頼を得ている人」がインフルエンサーの本質です。
インフルエンサーをフォロワー数だけで選ぶべきではない理由
インフルエンサーマーケティングの目的は主に「認知の獲得」と「フォロワーの購入・利用意向の向上」ですが(詳細は後述します)、フォロワーが多いインフルエンサーの方がその目的を達成しやすいのでしょうか?
2020年6月にトライバルが実施した「“売りにつながる”ソーシャルメディアとインフルエンサーの実態調査」によると、マーケティングファネルの各領域において「インフルエンサー(※1)」よりも「インフルエンサーではないが特定のカテゴリーや領域に詳しい投稿者」「インフルエンサーではないがライフスタイルや趣味などが自分と似ている投稿者」による影響度が上回っていることが分かります。必ずしもフォロワー数の多いインフルエンサーの影響度が高いわけではないということです(※2)。

さらに、IndustryDiveが運営するSocial Media Todayの記事(※3)では、ナノインフルエンサー(フォロワー数 1,000~1万人)による投稿のエンゲージメント率は、フォロワー数が多い他のインフルエンサーと比較して7%高いというデータが紹介されています。ナノインフルエンサーはフォロワー数が少ないものの、フォロワーとの結びつきが強いことや広告効果が高い点などに注目するべきだということです。
以上のことから、フォロワー数が多いインフルエンサーの方が目的(特に「フォロワーの購入・利用意向の向上」)を達成しやすいというわけではなく、目的に沿ったインフルエンサーの選定が必要であることが分かります。
※1 インフルエンサーを「フォロワー数や登録者数が多く、発信内容が多くの人の商品購入などに影響をもたらす発信者」と定義しています
※2 影響度は、影響人数の多さではなく影響を受ける度合いを指します
※3 Social Media Today「Nano Influencers: Who Are They and How to Work With Them(2021年2月14日)」
フォロワー数以外でインフルエンサー選定で重視するポイント
それでは、フォロワー数以外のどんな基準でインフルエンサーを選べば良いのでしょうか?
インフルエンサー選定において重要なのは、選んだインフルエンサーが皆さんのブランドや商品を紹介することが自然かどうか(違和感がないか)です。特に重要なポイントは以下の5つです。
- インフルエンサーとフォロワーが普段どんなコミュニケーションをしているか
- ブランドや商品のターゲットと一致するフォロワーがどれくらいいるか
- フォロワーの中に熱狂的なファンがいるか
- インフルエンサーにカテゴリーに関する知識や経験があるか
- インフルエンサーにブランドや商品に対する好意があるか
具体的にご紹介します。
1. インフルエンサーとフォロワーが普段どんなコミュニケーションをしているか
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとフォロワーのコミュニケーションの場をブランドや商品が借りる(おじゃまさせていただく)手法です。インフルエンサーにブランドや商品に関する投稿を依頼した場合に、インフルエンサーが発信する情報とフォロワーが期待している情報がマッチしているかが重要です。
例えば、Instagramでキャンプに関するコンテンツを投稿している女性インフルエンサーに、(主に自宅で使用する)化粧品に関するPR投稿を依頼したとします。
キャンプに関する投稿が多い中で、突然化粧品に関するPR投稿が流れてくると、普段の投稿とPR投稿のギャップが大きくキャンプ情報を期待しているフォロワーはリアクションしづらい(自分に関係がないと思ってしまう)でしょう。
フォロワーが期待している情報を発信し、リアクションしてもらう(認知獲得や購入・利用意向の向上につなげる)ために、インフルエンサーが日ごろからどのようにコミュニケーションをしているか(関係を築けているか)を把握しておきましょう。
2. ブランドや商品のターゲットと一致するフォロワーがどれくらいいるか
フォロワー数が多いインフルエンサーを起用すると、ブランドや商品に関する情報を多くのユーザーにリーチできる可能性が高いため、フォロワーの数は重要です。
その一方で、フォロワーにブランドや商品のターゲットとなるフォロワーが少ないと、届けたいユーザーに情報を届けることが出来ません。女性インフルエンサーの場合、男性フォロワーが多いケースもあります。
フォロワー数だけでなく、ターゲットと一致するフォロワーが多いのかという視点を忘れないようにしましょう。
3. フォロワーの中に熱狂的なファンがいるか
フォロワーがインフルエンサーに対して好意的な感情を抱いているかもポイントです。
フォロワーはインフルエンサーに対して好意的であるほど、「◯◯さんが投稿してたから!」といった理由で行動しやすくなります。熱狂的なファンが多いインフルエンサーを起用して、購入・利用意向を高めた事例もあります。
4. インフルエンサーにカテゴリーに関する知識や経験があるか
4つ目は、インフルエンサー自身に関するポイントです。インフルエンサーが皆さんのブランドや商品について投稿する際に、自身の知識や経験にもとづいて投稿・レビューできるのかという点を重視しましょう(キャンプに関する女性インフルエンサーを起用する例であれば、キャンプ用品の用途を理解しているか、キャンプ歴はどのくらいなのかなど)。
また、本心や本音でコメントするようなインフルエンサーほど、フォロワーは(PR投稿であっても)信用できる情報として受け取る可能性が高いと考えられます。
5. インフルエンサーにブランドや商品に対する好意があるか
4つ目のポイントに関連しますが、カテゴリーに関する知識があった上で、さらに皆さんのブランドや商品に好意を抱いているかも重要です。普段からそのブランドや商品を好きなインフルエンサーだと、熱のこもった投稿をする可能性が高く、そうした投稿の方がフォロワーの興味喚起を期待できます。
インフルエンサー自身もブランドからの依頼を嬉しく感じるだけでなく、ファンならではの目線で投稿し、愛ある文章で投稿を見た人の気持ちを動かすことでしょう。
インフルエンサー起用の目的を明確にする
インフルエンサーマーケティングの目的は、企業やブランドの状況や施策にあわせて決める必要がありますが、主に以下の2つがあげられます。
- 認知の獲得
- フォロワーの購入・利用意向の向上
そして、選ぶべきインフルエンサーは、前述した5つのポイントをすべて満たす方ではなく、目的ごとに重視すべきポイントが満たせている方です。どちらの目的であっても「1. インフルエンサーとフォロワーが普段どんなコミュニケーションをしているか」は重要ですが、他4つは目的によって異なります。

① 認知を獲得したい
「1. インフルエンサーとフォロワーが普段どんなコミュニケーションをしているか」以外に、「2. (ブランドや商品のターゲットと一致する)フォロワーがどれくらいいるか」を重視しましょう。リーチを獲得するために「数」だけを見るのではなく、起用するインフルエンサーに訴求したいブランドや商品と相性が良いフォロワーがどのくらいいるかを把握しておくのがポイントです。
② フォロワーの購入・利用意向を向上したい
この目的では、「1. インフルエンサーとフォロワーが普段どんなコミュニケーションをしているか」以外に「4. インフルエンサーに(カテゴリーに関する)知識や経験があるか」「5. インフルエンサーにブランドや商品に対する好意があるか」を特に重視しましょう。この2点をどれだけ満たせているかどうかで、フォロワーにリアクションを促せるかどうか、説得力が変わってきます。
あるいは、知識、ブランド・商品への好意が見受けられない(多くない)場合でも、3の「熱狂的なファン」が多ければ効果が出やすい場合もあります。訴求したいブランドや商品によって適切に判断しましょう。
まとめ
本記事ではインフルエンサーの定義から特徴、そしてマーケティング活用時の選定ポイントを解説しました。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとフォロワーのコミュニケーションの場をブランドや商品が借りる手法です。インフルエンサーを選ぶ際には、フォロワー数だけでなく、企業の目的やターゲット層に一致しているかを確認しながら選びましょう。
当社トライバルメディアハウスではインフルエンサーマーケティングの支援も可能です。適切な目的設定やインフルエンサーの選定、効果測定など一貫した支援が可能ですので、もしお力になれることがあれば、以下よりお問い合わせください。
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