企業のSNS運用ルールの決め方とは?社内・社外向けガイドラインやマニュアルの作成方法と注意点

SNS運用をはじめるにあたっては、社内・社外ルールのマニュアル化が必要です。運用方針が定まっていないと、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。

今回の記事では、企業に必要なSNSの運用ルールの策定についてまとめました。ガイドラインの作り方や、ルール策定の注意点も紹介します。

企業がSNS運用ルールを策定する目的

企業におけるSNS運用ルールは、主に次の3つを目的として策定します。

  • 炎上やクレームの回避
  • 担当者の負担軽減と品質担保
  • 属人化の防止

炎上やクレームの回避

事前に社内ルールを作成したうえでSNSを運用することで、炎上リスクが最小限に抑えられます。SNSを通して発信した情報は、意図が正しく伝わらず炎上してしまうことも少なくありません。一度炎上すると、企業のイメージが低下するうえ、騒動が落ち着くまで運用を停止する必要があります。あらかじめ定めた明確なルールの下で運用する体制を整えれば、社内のコンプライアンス意識が統一され、不用意なアクションが防げるでしょう。

担当者の負担軽減と品質担保

SNS運用のルールを定めることで、担当者はそれに沿って運用すればよくなるため、業務負担が軽減します。また、守るべきルールが明確になっていれば、アカウントの方向性や投稿の品質がブレません。情報共有や引き継ぎの際も、明確なルールがあれば、作業がスムーズになるはずです。

属人化の防止

特定の担当者の裁量でSNSを運用していると、業務の属人化を招きます。業務内容の指針となるルールを設定し、それに沿って進めるような体制を整えることで、ブランドイメージを保ちつつ、運用の最適化が可能です。

SNS運用ルールの種類と役割

SNS運用ルールには、主に次の4種類があり、それぞれ役割が異なります。

  • 社内向け:公式SNS運用ガイドライン
  • 社外向け:ソーシャルメディアポリシー
  • 従業員向け:ソーシャルメディアガイドライン
  • ユーザー向け:コミュニティガイドライン

社内向け:公式SNS運用ガイドライン

SNS運用ガイドラインとは、自社公式アカウントに関する社内向けの運用方針です。具体的には、SNS運用の目的や、投稿のプロセス、業務上で管理者や担当者が遵守すべきリテラシーおよび注意喚起が明記されます。SNSの健全な運用のほか、配置転換・離職などによるジョブローテーションに備えた品質の安定化を目的として作成します。

社外向け:ソーシャルメディアポリシー

ソーシャルメディアポリシーとは、対外的なSNS運用ガイドラインです。SNS運用における企業としてのあり方や考え方を明記したものであり、社内のほか、Webサイトなどに掲載して外部にも提示されます。また、SNS運用にあたって発生したトラブルや問題への対応方針や免責事項を記し、ユーザーの理解を促すという役割も担います。

従業員向け:ソーシャルメディアガイドライン

ソーシャルメディアガイドラインとは、従業員個人のSNS利用に関するルールを定めた社内規定です。企業の品位や対外的なイメージを守るため、従業員が守るべきマナーや心構えが記されます。基本的には社内共有のためのルールであり、一般公開の義務はありません。

ユーザー向け:コミュニティガイドライン

コミュニティガイドラインとは、自社のメディアや公式SNSのユーザーに対して示す利用・閲覧などに関するルールです。コミュニティの健全な運営・運用のための禁止行為や規制内容、違反への罰則などが記されます。一般ユーザーの行動は、企業による抑止力が働きにくいので、あらかじめWebサイトなどを通して明文化しておくことでトラブルが防げるでしょう。

SNS運用ルールを作る5つのステップ

SNS運用ルールを作るときは、次の5ステップに沿って進めてください。

  1. 現状分析
  2. ひな形の作成
  3. 社内チェック
  4. ブラッシュアップ
  5. 共有

なお、ガイドライン・マニュアル作成に悩んだときは、競合他社の運用方針や生成AIによるリサーチを参考にするほか、プロのコンサルティングを受けるのも一つの手です。

SNS運用ルールで定めておくべき5つの方針

企業のSNS運用ルールでは、次の5つの方針を定めましょう。

  • 情報発信の方向性
  • 運用の体制
  • 運用の目標
  • ユーザーやフォロワーとの関わり方
  • トラブルへの対処法

情報発信の方向性

企業のSNS公式アカウントを運用する際は、あらかじめ発信内容の方向性を明らかにし、それを社内で共有しましょう。従業員個人の考えを反映したり、機密情報やセンシティブな内容、真偽不明な情報に触れたりすると、炎上やイメージダウンに直結します。企業および提供する商品・サービスのイメージやブランディングを反映し、その強みが活かせる投稿内容およびトーン&マナーになるようルールを決めておきましょう。

運用の体制

SNS運用の際は、運用体制を細かく決めておくことが必要です。担当者の負担軽減につながるほか、業務の属人化が防げます。またセキュリティ対策として、管理・投稿するための媒体や補助ツールを指定しておきましょう。さらにチェック体制も定めておけば、ヒューマンエラーの防止のほか、業務の円滑な遂行を促します。

運用の目標

SNS運用を始めるにあたって大切なことは、事前に何を目的として運用するのかを明確化することです。目標を細かく設定しておけば、途中経過が評価しやすくなるほか、改善策の分析もスムーズになります。まず最終目標であるKGIを定めたうえ、その中間目標となるKPIを設定し、PDCAサイクルが回しやすい戦略設計をマニュアル化しましょう。

ユーザーやフォロワーとの関わり方

企業のSNS運用ルールには、一般ユーザーやフォロワーとどのように接すべきかを明記することをおすすめします。積極的に交流すれば認知度向上と印象アップが図れる反面、不適切な対応がイメージダウンに直結し、その情報が全世界へ拡散されてしまいかねません。コミュニケーション方針を決めておくことで、企業・ユーザー双方の権利やプライバシーを守ることにつながります。

トラブルへの対処法

あらかじめトラブル発生時の対応をマニュアル化し、社内全体のルールとして明文化しておきましょう。クレームや炎上などのトラブルは、初動の早さが肝心です。問い合わせ窓口の設置や、モニタリングの実施といったトラブルシュートをガイドラインに明文化しておけば、いかなるときでも迅速に対処できます。

SNS運用ルールを決める際の注意点

企業のSNS運用ルールを策定する際は、次の3つのポイントに留意して検討してください。

  • 従業員の意見を取り入れる
  • 周知を徹底する
  • 定期的に見直す

従業員の意見を取り入れる

企業がSNS運用ルールを策定するときは、さまざまな部署の従業員の意見を取り入れましょう。一部の意見だけで決めると、ルールに漏れや抜けが生じる恐れがあります。万が一トラブルが発生した場合には、会社全体を巻き込む大きな問題に発展するかもしれません。適正なルールを定めるためにも、社内が一丸となって対応に当たれる体制づくりが重要です。

周知を徹底する

SNS運用ルールは、ただ策定するだけでは不十分です。ルールがあっても、十分に伝達され、浸透しなければ意味がありません。社内用、一般ユーザー向けなど公開範囲を細かく区分したガイドラインやポリシーを作成し、その周知徹底に努めましょう。

定期的に見直す

策定したルールは、定期的に見直して改善することが求められます。SNSの動向は日ごとに変化し、以前はなかった多種多様なトラブルが発生しているからです。その時々の状況やトレンドに合わせてルールをアップデートしていくことで、トラブルの回避につながるのはもちろん、より効果的なSNS運用が実現します。

ルールを決めてSNS運用のリスクを最小限に抑えよう

SNS運用に関するルールがマニュアル化していれば、社内・社外で起こり得るさまざまなトラブルや炎上が防げます。業務プロセスとその規制、トラブルへの適切な対応方法をあらかじめ明らかにし、リスクを押さえて賢くSNSを運用しましょう。

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