インスタグラムのUGCを活用する方法とは?企業の活用事例や注意点も解説

Instagram(以下「インスタ」)は、視覚的に魅力を伝えやすく、拡散力の高いSNSとして、多くの企業がマーケティングに活用しています。その中でも、ユーザーが自主的に投稿するUGCは、ブランドの認知度向上や購買意欲の促進に大きな影響を与える重要な要素です。特に、信頼性の高いリアルな体験談や口コミが広がることで、企業の広告だけでは得られない説得力を持つプロモーションが可能になります。
本記事では、インスタのUGCを活用するメリットや具体的な方法、成功事例、そして活用する際の注意点について詳しく解説します。「ユーザーに自発的に投稿してもらいたい」「UGCを効果的に活用して売上につなげたい」と考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
インスタにおけるUGCとは?
UGC(User Generated Content)とは、一般ユーザーが作成し、公開するコンテンツのことを指します。インスタでは、フィード投稿やリール動画などが該当します。企業が発信する公式情報とは異なり、ユーザー自身のリアルな体験や感想が反映されるため、信頼性が高いのが特徴です。特に近年、SNSの普及に伴い、UGCの影響力はますます拡大しています。
インスタのUGCがマーケティングに効果的な3つの理由

インスタのUGCがマーケティングに効果的な理由として、次の3つが挙げられます。
- ユーザー数が多く、UGCの拡散力が高いプラットフォームである
- フォロワー以外にもリーチしやすく、新規顧客を獲得しやすい
- ビジュアルコンテンツ中心で、直感的にブランドの魅力を伝えられる
1. ユーザー数が多く、UGCの拡散力が高いプラットフォームである
2023年に総務省が実施した調査によると、インスタの利用率は全年代で56.1%に達し、LINEやYouTubeに次ぐ国内第3位のプラットフォームとなっています。特に10〜20代では70%以上が利用しており、情報収集や商品・サービスの認知に大きな影響を与えています。

参照元:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>|総務省
インスタは投稿がリポストされやすく、ストーリーズやリールを活用することで短期間で広範囲に拡散できるのが特徴です。たとえば、友人が「このコスメ、すごくいい!」と投稿すると、それを見たフォロワーが興味を持ち、購入を検討する流れが生まれやすくなります。このように「UGCが拡散され、それが次の購買行動につながる」という仕組みが、インスタの大きな強みと言えます。
2. フォロワー以外にもリーチしやすく、新規顧客を獲得しやすい
インスタのアルゴリズムは、フォロワー以外のユーザーにも投稿が届きやすい仕組みになっています。特に、エンゲージメントの高い投稿は多くの人のフィードや「おすすめ」に表示されやすく、いいね・コメント・リポストが多いUGCほど拡散力が強まるのが特徴です。
また、企業の公式アカウントよりも一般ユーザーの投稿が「おすすめ」に表示されやすい傾向があります。そのため、ハッシュタグやリールを活用することで、より広い層にアプローチできる可能性が高まります。
3. ビジュアルコンテンツ中心で、直感的にブランドの魅力を伝えられる
インスタは「写真・動画」が主体のSNSであるため、商品の魅力を視覚的に直感的に伝えやすいのが特徴です。テキストだけの口コミに比べて、実際の使用感や質感がダイレクトに伝わるため、ユーザーの購買意欲を強く刺激します。
特にアパレル、コスメ、食品業界では、ビジュアルによる情報提供がユーザーの関心を引きやすく、UGCが強力なマーケティングツールとして機能します。
インスタにおけるUGCの種類

インスタのUGCは、大きく「キャンペーン参加型」と「リポスト誘致型」の2種類に分けられます。
キャンペーン参加型 | リポスト誘致型 | |
特徴 | ・特定のハッシュタグを設定し、投稿を促す ・プレゼントやクーポンでインセンティブを提供する | ・企業の公式アカウントがUGCをリポストし、投稿を促す ・長期的に活用しやすい |
メリット | ・短期間で大量のUGCを集められる ・ユーザーの参加意欲が高まる | ・キャンペーンなしでもUGCが増えやすい ・公式紹介を狙うユーザー心理を活用できる |
デメリット | ・キャンペーン終了後に投稿が減少しやすい ・インセンティブ目的の投稿が増える可能性も | ・リポスト基準を明確にしないと投稿しにくい ・投稿者の許可取得が必要 |
それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。
キャンペーン参加型のUGCとは?
キャンペーン参加型のUGCとは、企業が特定のハッシュタグを設定し、ユーザーにそのハッシュタグを付けた投稿を促す形式のことを指します。投稿者の中から抽選でプレゼントやクーポンを提供することで、投稿のモチベーションを高める仕組みです。参加者が増えるほど投稿が拡散されやすくなり、認知度向上につながります。
最大のメリットは、短期間で大量のUGCを集められることです。インセンティブがあることで、ユーザーの参加意欲が高まり、話題性を生み出しやすくなります。
一方で、キャンペーン終了後にUGC投稿の勢いが落ちやすいというデメリットもあります。また、インセンティブ目的の投稿が増える可能性があるため、ブランドイメージに合った投稿を選別し、適切に活用することが重要です。
リポスト誘致型のUGCとは?
リポスト誘致型のUGCとは、企業の公式アカウントがユーザーの投稿をリポストすることを前提に、UGC投稿を促す手法です。企業のアカウントでリポストされることにより、投稿者にはフォロワー数の増加や注目度アップといったメリットが生まれます。キャンペーン参加型UGCと比べて、ユーザーの自主的な投稿が多いため、長期的に活用しやすい傾向があります。
この手法の最大のメリットは、キャンペーンなしでも継続的にUGCを集めやすい点です。「公式に紹介されたい!」というユーザー心理を活かし、自然な形で投稿数を増やすことが可能です。
ただし、企業側がリポストの基準を明確にしないと、ユーザーが投稿しにくくなる点はデメリットといえます。また、リポストの際には投稿者の許可を得る必要があるため、運用ルールを事前に整えておくことが重要です。
インスタでUGCを増やすための具体的な方法

インスタでUGCを増やすためには、次のような方法を取りましょう。
- 見本投稿でUGCのアイディアを提供する
- ハッシュタグを活用する
- インフルエンサーとコラボレーションする
見本投稿でUGCのアイディアを提供する
多くのユーザーは、「どのような投稿をすればよいのか分からない」と感じています。そこで、企業が見本を提示することで、UGCの投稿を促進できます。
特にリールは拡散力が高いため、サンプル動画を投稿するのがおすすめです。具体的な構成や撮影のポイントを示すことで、ユーザーが投稿しやすくなり、より質の高いUGCの生成につながります。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグは、UGCを自然に集めるための重要な要素です。企業がオリジナルのハッシュタグを作成し、ユーザーに投稿を促すことで、ブランド関連の投稿が蓄積されていきます。 また、タグ付け(@メンション)を推奨することで、企業アカウントに通知が届き、簡単にUGCを確認・活用できるようになります。
ハッシュタグを活用したキャンペーンは、短期間で大量のUGCを集めるための効果的な施策です。一般的な手法として、特定のハッシュタグをつけて投稿したユーザーの中から抽選でプレゼントを提供する形式があります。「投稿すれば何かもらえる!」というインセンティブがあることで、参加率が向上しやすくなり、多くのユーザーが投稿に関与するきっかけを作ることができます。
インフルエンサーとコラボレーションする
インフルエンサーを活用することで、一般ユーザーによるUGC投稿を促進できます。インフルエンサーが商品を使用する姿を見せることで、「自分も使ってみたい!」と感じるユーザーが増え、自然に投稿が広がりやすくなります。企業がインフルエンサーと提携してフォロワーに投稿を呼びかけることで、さらにUGCの増加を後押しできます。
インフルエンサー施策を行う際は、ブランドに合ったインフルエンサーを選ぶことが重要です。フォロワー数よりもエンゲージメント率を重視し、フォロワーとの関係性が強いインフルエンサーを選定することで、より効果的なUGCを生み出せます。また、ブランドの世界観の統一も大切です。投稿のトーン&マナーを揃えることで、一貫性のあるブランドイメージを維持しながら認知度を高められます。
インスタのUGCを活用している企業の事例

インスタのUGCを活用している企業の事例を3つ紹介します。
- H.I.S.
- Canon
- ニトリ
H.I.S.
H.I.S.は、女性向け旅行ブランド「タビジョ」を運営し、UGCを活用したマーケティングを展開しています。インスタの公式アカウントでは「#タビジョ」「#tabijyo」というハッシュタグを設定し、旅行好きの女性たちが体験をシェアできる場を提供。これにより、140万件以上のUGCが投稿され、ユーザー同士のコミュニティ形成にも成功しています。また、旅行先のリアルな写真が蓄積されることで、「ここに行ってみたい!」という気持ちが高まり、実際の旅行予約や購買行動の後押しにつながっています。
参照元:
タビジョ|H.I.S.
タビジョ(@tabi_jyo)|Instagram
Canon
Canonは、「LIFE with CAMERA」という公式アカウントを通じて、ユーザーが撮影した写真をリポストしています。投稿がリポストされる条件として、「#LIFEwithCAMERA」と「機材名(#eosm200など)」の指定ハッシュタグをつけることを設定。ユーザーは自身の作品をシェアしてもらいたいという思いから積極的に投稿し、多くのUGCが集まる仕組みが生まれました。その結果、「#LIFEwithCAMERA」の投稿数は7.1万件を超え、フォロワー数も9.9万人を突破。実際のユーザーが撮影した写真を通じてリアルな使用感が伝わり、新規顧客の獲得にもつながっています。
参照元:LIFE with CAMERA(@canon_eosm)|Instagram
ニトリ
ニトリは、公式アカウントで「#ニトリ」「#mynitori」「#nitori_official」のハッシュタグがついた投稿をストーリーズで紹介し、ユーザーのUGCを積極的に活用しています。紹介したストーリーズはハイライトの「お客様の投稿」にまとめて保存されており、24時間で消えてしまう投稿も後から閲覧できる仕組みになっています。これにより、消費者視点のリアルなコーディネート例が集まり、「便利そう!」「買いたい!」といった購買意欲の向上につながっています。
また、インフルエンサーとのコラボレーションも積極的に行い、UGCの拡散力とインフルエンサーの影響力を組み合わせたハイブリッド戦略を展開。ユーザーの投稿とプロモーションを融合させることで、より多くの人にニトリの商品を届ける仕組みを確立しています。
参照元:ニトリ公式|インテリア・家具(@nitori_official)|Instagram
インスタでUGCを活用する際の注意点

インスタでUGCを活用する際は、次のような点に注意しましょう。
- リポストする際は事前に許可を得る
- ステルスマーケティングにならないようPR表記をする
- ネガティブなUGCには適切に対応する
リポストする際は事前に許可を得る
ユーザーが投稿した写真や動画には投稿者が著作権を持っているため、企業が無断で使用することはできません。UGCを公式アカウントでリポストする際は、事前に投稿者の許可を得ることが必須です。インスタのDMやコメントを活用し、「公式アカウントで紹介しても良いですか?」と確認した上で許可を得ましょう。
また、リポストする際は、投稿のキャプションに投稿者のユーザー名を明記することも重要です。これにより、適切なクレジットを表示するとともに、ユーザーとの信頼関係を築くことができます。
ステルスマーケティングにならないようPR表記をする
企業が報酬を支払って投稿を依頼する場合、ステルスマーケティング規制により、「#PR」「#広告」「提供:〇〇」などの表記を明示することが必須です。広告であることをユーザーに分かりやすく伝え、誤解を与えないようにすることが求められます。特にSNS上では、投稿が自然に見えるため、PR表記を怠るとステルスマーケティングとみなされるリスクがあるため注意が必要です。
一方で、報酬を伴わない自主的な投稿であれば、PR表記の義務はありません。ただし、インフルエンサーが企業との関係をユーザーに伝えることで、より透明性のある投稿となり、信頼性を高めることにもつながります。
ネガティブなUGCには適切に対応する
UGCにはポジティブな投稿だけでなく、クレームや批判などネガティブな投稿が含まれる可能性もあります。商品に対する不満やサービスの悪い体験がシェアされることは避けられず、企業側はこうした投稿に対して適切な対応を取ることが求められます。
特に、炎上リスクに備えた対応が重要です。否定的なコメントやクレームに対して、ただ削除するのではなく、誠実に対応することでブランドの信頼を維持できます。ユーザーの意見に耳を傾け、必要に応じて改善策を提示することで、むしろブランドへの好感度を高める機会にもなり得ます。
インスタのUGCを活用して消費者のリアルな声を活かしたマーケティングを!
インスタのUGCの効果的な活用は、ブランドの認知拡大や売上向上につながります。特に、ハッシュタグを活用したキャンペーンやリポスト誘致、インフルエンサーとのコラボレーションなどを組み合わせることで、自然な形でUGCを増やし、長期的に活用することが可能です。
しかし、UGCを活用してマーケティングを成功させるには、どのような投稿を促せば効果的か、どのハッシュタグを使うべきか、インフルエンサーとの連携はどのタイミングで行うべきかなど、戦略的な視点が欠かせません。
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