熱狂的なファンの「6つの価値」とは何か
作成日:2019年9月19日
先日、「ファンマーケティングとは?「ファンと一緒につくる」考え方と成功ポイントを解説」という記事を公開し、「熱狂的なファンはブランドにとって資産である」とご説明しました。
今回は、その熱狂的なファンが企業やブランドに対してどのような価値をもたらすのかについて紹介します。
熱狂的なファンは「資産」となる
ブランドは、商品やサービスそのものだけでは、その価値を最大限発揮することはできません。
カメラであれば使う人の経験やスキル、レストランであればテーブルマナーなどの知識や行動が、最終的に商品やサービスの発揮する価値の大きさを左右します。
これらの経験・スキル・知識・行動などが、使用者(利用者)が持つ「資産」です。なかでも熱狂的なファンの「資産」は、「知識」「スキル」「経験」「行動」「意向」の5つに大別され、これらを活用して、特定の人もしくはブランドに対して貢献できる価値を持っています。
熱狂的なファンが発揮する6つの価値
熱狂的なファンの価値は、以下の6つに分類できます。
①経済価値
熱狂的なファンは、持続的な購入によって継続的な利益貢献をしてくれます。持続的に買い続ける理由がファンにとって明確であれば、値引きなどをしなくても買い続けてもらえるという特徴があります。
②顧客理解価値
調査によって熱狂的なファンの行動や意向を把握することで、商品開発やサービス改善についての示唆を得ることができます。
彼らはなぜ自社のブランドを好きでいてくれるのか、そして好きになってくれたきっかけを教えてくれる最良のパートナーとなってくれるでしょう。
③共創価値
「共創」という言葉が指すのは、商品やサービスを共同開発することだけではありません。
熱狂的なファンとのディスカッションや協働は、これまで予想もしなかった新しい価値の発見につながります。
④影響価値
熱狂的なファンは、口頭で家族や友人へ推奨活動を行ってくれることがあります。また、ソーシャルメディアのコンテンツとしてファンの存在や声を取り上げることで、見込顧客へ間接的な影響を与えることもできます。
⑤コミュニケーションリデザイン価値
熱狂的なファンを理解することによって従来のコミュニケーションを見直し、より効率の高いマーケティング施策へコミュニケーションをリデザインすることができます。
⑥支援価値
熱狂的なファンを知ることで、自社の社員に対する営業のサポートや、開発のヒントを提供しやすくなります。
熱狂的なファンの価値には関連性がある
上述の通り、熱狂的なファンが発揮するのはいずれも企業やブランドに大きく影響を与える貴重な「価値」ばかりです。ここからは、この6つの価値の関係性を整理します。
早稲田大学の教授で「R3コミュニケーション―消費者との「協働」による新しいコミュニケーションの可能性」の著者である恩藏直人氏は、これからの時代におけるコミュニケーションは二者間から三者間へ移行するとし、企業・ブランド、一般消費者(見込顧客)、サポーター(見込支援客)の間での「Relevance(自分ゴト化)」「Reputation(評判形成)」「Relationship(関係構築)」が重要と述べています。
このR3コミュニケーションの理論に、今回はさらに「自社の社員」というピースを加え、四者間でのコミュニケーションの中で、熱狂的なファンの価値がどのように発揮されるかを整理しました。
ファンマーケティングを実行する際には、これらの価値がどの程度のインパクトをもたらすか考慮しながら施策を組み立てていくことが重要です。
熱狂的なファンとブランドを盛り上げていくことが重要
熱狂的なファンの価値を享受するには、熱狂的なファンを「消費者」ではなく「パートナー」として捉えることが大切です。
また、上述した6つの価値は、熱狂的なファンがそれぞれ持っている資産があってこそ生まれる価値であるということを忘れてはいけません。
したがって、“持続的な競争優位”を築いていくためには、熱狂的なファンと平等な関係を保ちながら、ともにブランドを盛り上げていくという考え方が必要になるでしょう。ファンが持つ価値について、少しでも皆さんの理解が深まれば幸いです。
トライバルメディアハウスが2015年から推進している、ファンマーケティングをベースとした「熱狂ブランドマーケティング」の詳細は以下よりご覧ください。