「愛される理由」を共につくる。ブランド・IPと深く共鳴し、ワンチームでファンの熱量を最大化したファンダムマーケティング支援
株式会社ヤマサキ株式会社ヤマサキが展開するヘアケアブランド『ラサーナ』は、企業からの情報発信が一方通行になりがちで、認知は獲得できても商品の魅力が十分に伝わりきらず、生活者の購買促進やブランドへの愛着形成につながりづらい側面があるという課題を抱えていました。
この壁を越えるため、既存商品の認知獲得と販売促進を目的に、ダンスボーカルグループ『M!LK』の吉田 仁人さんを起用したファンダムプロモーション『今日はどの仁人と過ごす? ラサーナで髪も心もきらめきデイズ』をトライバルメディアハウス(以下、当社)がご支援しました。「『ラサーナ』の各商品をキャラクター化したら?」というテーマのもと、吉田さんに商品の特性に合わせた4役を演じ分けてもらい、Web CMやSNS、マストバイキャンペーン、OOHなど、数々の施策を複合的に展開。熱量の高いファンコミュニティを巻き込み、ブランドへの深い愛着と驚異的なエンゲージメントを生み出しました。
本記事ではこの施策の全貌について、株式会社ヤマサキ トリプルメディア戦略課の奈田さまに、PM、プランナーとしてプロジェクトを推進した当社の長尾とともに伺いました。
課題:一方通行のコミュニケーションからの脱却。商品の「自分ごと化」と自然発生的なクチコミ創出
―― 今回のプロモーションを検討された背景にあった課題についてお聞かせください。
奈田さま:これまでもキャンペーンなどの施策を実施して認知を獲得してきましたが、商品の魅力をお客さまに自分ごととして捉えていただくのが難しいという課題がありました。情報を届けても、購入やファンになっていただくという行動になかなか結びつきませんでした。
各種SNSプラットフォームでも、ブランドから発信して終わってしまう一方通行のコミュニケーションが多く、お客さま同士で自然に語り合うようなクチコミが活発とは言えない状況が続いていました。
取り組み:ファンインサイトの深い理解に基づく「商品のキャラクター化」でブランドとIPの文脈を融合し、熱量を最大化
―― 課題解決の手段としてファンダムマーケティングを採用し、『M!LK』の吉田 仁人さんを起用されました。どのような背景があったのでしょうか。
奈田さま:上司が御社のセミナーに参加し、ファンダムマーケティングに可能性を感じたことが今回の取り組みを検討するきっかけでした。キャスティングについては、複数のご提案をいただくなかで、担当者間で特に支持の高かった吉田さんを起用することに決めました。吉田さんご自身のポテンシャルの高さはもちろんですが、御社が吉田さんやファンの方々について徹底的に深堀りし、分析してくださった情報の解像度が非常に高く、その点に強い信頼を感じました。その分析結果をもとに「なぜ吉田さんなのか」を社内へ具体的に共有できたため、スムーズに決定に至りました。
―― 当社としては、単なる話題性だけでなくファンの方々が本当に喜ぶ文脈を大切にしました。特にこだわった点や工夫した点はありますか。
長尾:最大のポイントは、ブランドとアーティストの文脈を自然に結びつけた企画の妙です。既存のヘアケア商品4種を擬人化し、各キャラクターにご本人の名前を冠した企画をご提案しました。擬人化した各キャラクターには、吉田さんが昔趣味として挙げていた盆栽や特技の合気道・ギターなど、ファンの方であれば思わず「わかってるね!」と言いたくなるような要素を細部に盛り込み、楽しみながら見ていただくと、見終わるころには自然に商品名と商品特性が理解できる構成を意識しました。また、「今日はどの仁人と過ごす?」というテーマにしたことで、ファンの方から「ミスト仁人がいい」などの、商品名が入った発話も自然に増えたことも非常にポジティブなポイントです。ただIPを使って盛り上がるのではなく、IPの文脈に沿ったかたちで展開することで、商品とブランドもまるっと愛してもらえた素敵な企画になりました。『み!るきーず』(M!LKのファンネーム)のみなさんには本当に感謝ですね。
奈田さま:本当に見事な企画でした。私たちも、毎日『み!るきーず』のみなさんの、たくさんの投稿をとても楽しんで見ていました。
長尾:ラサーナさまがファンの方の投稿に対し、積極的に「いいね」をしていたのはとても印象的でした! 実際、それに対する感動の声もSNS上でたくさん見かけましたし、そうした細やかなコミュニケーションが、ファンの方の心を掴んだと思います。ラサーナさま、事務所さま、そして当社を中心とした制作スタッフ全員が、企画をなにより楽しみながら「ワンチーム」となって進められたことが一番の成功の鍵でしたね。
奈田さま:本当にそうですね。それぞれが同じ熱量で楽しみながら取り組めたからこそ、スピード感を持ってアイデアをかたちにできました。
長尾:その「楽しむ姿勢」が、クリエイティブの精度にも直結しましたよね。OOHやSNSコンテンツも、妥協せずに作り込めたと感じています。たとえば、広島で展開した雑誌表紙風のOOHは「こんな雑誌があればファンの方も喜んでくれるんじゃないかな」と、実在の雑誌をそれぞれイメージしながら、企画タイトルなど細部までこだわり抜きました。だからこそ、完成したクリエイティブと、それに対するファンの方々の反応を見たときは、本当に感動しましたね。


成果:目標の10倍を超えるキャンペーン応募と、全SNSで驚異的なインプレッション数を記録し、強固なブランド愛を醸成
―― 今回のキャンペーン実施後の具体的な効果や反響についてお聞かせいただけますか。
奈田さま:想定をはるかに超える結果となり、社内でも過去最高と非常に高く評価されています。SNSキャンペーンの応募数は目標の10倍以上を達成し、Web CMの再生数などのKPIも大幅に上回りました。
課題であった自然発生的なクチコミに関しても、数万件にのぼる膨大な投稿が寄せられました。Yahoo!リアルタイム検索でトレンド3位にランクインするなど、一連の施策による全SNS(オーガニック)の合計インプレッションは過去の施策を凌駕する圧倒的な規模に達しています。
長尾:定量的な成果はもちろんですが、ファンのみなさまからの反響の質が非常に高かったことが印象的でした。ブランドに対する深い感謝や愛着の声があふれ、SNS上では「ラサーナ様」と呼ばれるほどの現象が起きました。ファンインサイトを徹底的に理解したクリエイティブと、モメンタムに合わせた緻密なコンテンツ設計でファンのみなさまの熱量を最大化できたと思っています。

奈田さま:「ラサーナ様に足を向けて寝られない」「企画した人にボーナスを…」といった投稿や、ファンの方が描いたイラストなどの作品が多数投稿されたのは非常に印象的でしたね。単なるIP起用の広告にとどまらず、ファンとブランドがともにエンターテインメントを盛り上げる「ひとつの作品」として受け入れられたと感じています。キャンペーン終了後も商品のリピート購入や継続的なコミュニケーションが生まれているのもとても嬉しいです。また、営業現場でも小売店さまとの会話のきっかけとなるなど、全社的な盛り上がりにもつながりました。このご縁を大切にし、今後もファンの方々と継続的にお付き合いを深めていきたいと考えています。
―― 営業現場や小売店さまからの反響はいかがでしたか?
奈田さま:前回御社と実施した若手俳優さんを起用したファンダムプロモーションの時も含めてですが、実際に小売店さまからは「ラサーナさん、最近変わったね。面白いことやっているね」と、良い意味で驚きの声を多数いただきました。商談の際にも、ただ「棚を広げてください」「商品を置いてください」とお願いするのではなく、注目度の高い共通の話題から入ることができるため、コミュニケーションが非常に活性化しました。
―― 営業現場でもフックとして機能したのですね。
奈田さま:はい。現場からも「商談がしやすくなった」と好評です。さらに、キャンペーンが終了した今でも、「少し前までコラボしていて、商品が継続的に動いているんですよ」と施策の成果として具体的に紹介できています。販売部とマーケティングの双方が連携して全社的な盛り上がりを作れたことも、大きな成果だと感じています。
―― このような大きな反響を受けて、今後のマーケティング活動やファンとのコミュニケーションについて、どのような展望をお持ちでしょうか。
奈田さま:今回、ファンダムの方々と深くつながれる接点を作ることができたので、この一度のつながりで終わらせず、継続的に大切にお付き合いをしていきたいと強く思っています。単に人気なタレントとコラボレーションするのではなく、「私たちもファンのみなさまと一緒にIPを応援する同志です」という姿勢を大切にしたいですね。ファンのみなさまに引き続きブランドを愛していただけるよう、今後もそういった真摯な姿勢でプロモーションに向き合っていきたいと考えています。
まとめ
本プロジェクトは、単にIPを起用するだけでなく、クライアントが抱える情報発信の一方通行という課題を解決し、熱狂的なファンコミュニティを巻き込むことで驚異的な成果を生み出しました。
当社が提供した専門性は、以下の通りです。
コミュニティの空気感や大切にされている文脈を、ファンの一員のような熱量で深く理解。ファンのみなさまと一緒に楽しめるような「そうきたか!」というコンテンツを戦略的に仕掛けました。
・ブランドとIPをつなぐ共感のストーリー設計
双方の魅力を掛け合わせ、ファンが自然に受け入れられるストーリーを設計。商品理解が深まり、思わず語りたくなる施策展開により、ブランド愛着形成も実現しました。
・関わる全員が同じ熱量で進行できるワンチームの伴走体制
クライアントさまや事務所さまと密に連携し、アイデアを即座にかたちにするスピーディーな進行で、施策の効果を最大化しました。

スタッフリスト
PM:長尾 恵理加
プランナー:長尾 恵理加、下里 美海
ディレクター:薦田 果聖、遠藤 麻衣子
サービス
エンターテインメント・ファンダムの力を活かし、購買・店舗送客を促進、ブランドに対する好意度と購入意向を高めます。
貴社のマーケティング課題を特定し、解決に向けて併走いたします。
※記事の内容は2026年4月時点のものです
Overview
- クライアント
- 株式会社ヤマサキ
- 業界
- 化粧品・美容
- 期間
- 2025年11月~2026年1月
- 課題
- 既存商品の販売促進のための商品認知・興味喚起。特にSNS上でのクチコミ増加・話題化の機会創出
- 支援内容
- 「商品をキャラクター化したら?」をテーマに、商品特性に沿った4役を吉田仁人さん(M!LK)が演じる企画で、Web CMやSNS、マストバイキャンペーン、OOHなど、数々の施策を複合的に展開しファンの熱量を最大化したファンダムマーケティング支援
- 成果
- 熱量の高いUGCが多数発生し、全SNSを通じて広範囲にわたるリーチと驚異的なインプレッション数を実現。商品認知・興味喚起を越え、IPファンの熱量をブランド愛に昇華させることに成功
その他のコンテンツ
- 私たちの特長
ソーシャル・SNS黎明期から業界を牽引してきた私たちは、企業の売上のメカニズムを構造化し、戦略と「やること」「やらないこと」を明確にして課題解決まで伴走します。
- 得意分野
マーケティングにおいて幅広く支援できる私たちの、特に知見と経験が豊富な業界・手法をご紹介します。
- 支援領域
貴社のマーケティング課題を特定し、解決に向けて併走いたします。
- 実績紹介
領域を問わず、毎年多くのプロジェクトをご支援させていただいています。私たちが事業成果へつなげたプロセスをご覧ください。
- ナレッジ
現場の課題解決に直結する実践的なナレッジや考え方を体系的に発信しています。
- 会社紹介
トライバルメディアハウスの会社概要や、出版・メディア掲載情報などをご紹介します。