2015/08/11

【企業担当者インタビュー】サンリオによる「キャラクターのツイートに夢をのせる」Twitter運用

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今年で創業55年となる、株式会社サンリオ。皆さんも、サンリオといえば、ハローキティ、マイメロディ、キキララといったファンシーで愛らしいキャラクターたちがすぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。

同社は「スモールギフト、ビックスマイル」の合言葉のもと、キャラクター商品の企画開発、卸売・小売事業、ライセンス事業などを主な事業としています。

同社のソーシャルメディア運用では、特にTwitterに力を入れており、運用しているアカウントは現在9個。今回はソーシャルメディアの運用方法について、メディア部ジェネラルマネージャー田口歩氏と同ネットコミュニケーション課の江部麻由美氏にお話をうかがいました。

 

個性の異なるキャラクターがTwitterでファンと交流

――今日はありがとうございます。はじめに、お二人の担当業務を教えてください。

田口氏:二人ともメディア部に所属しており、私はオウンドメディア、メールマガジン、SNS施策の全体を統括し、江部は各Twitterアカウントの運用を担当しています。

――ソーシャルメディアの運用を開始したきっかけは何でしょうか?

田口氏:1年半前にコーポレートサイトのフルリニューアルを行った際、サイトの中にソーシャルメディアの機能を積極的に組み込む方針を決め、従来から運用していたFacebookとTwitterについてもより本格的な活用を始めました。私達のビジネスは、ユーザーにキャラクターを愛してもらわなければ始まりません。ソーシャルメディアはユーザーとキャラクターの関わりを深め、より強い絆(エンゲージメント)づくりをするために欠かせない、重要な施策として力を入れています。

――Twitterアカウント9個を運用されているということですが、どのようなアカウントですか?

田口氏:会社としての活動や製品情報、イベント情報など幅広く発信する「サンリオニュース」という広報的なアカウントが1つ、あとの8つはマイメロディリトルツインスターズ(キキララ)などのサンリオのキャラクターのアカウントです。キャラクターのアカウントは、それぞれのキャラクターが自らの言葉でつぶやいています。これらの他にサンリオピューロランドも Twitterで情報発信を行っています。

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メディア部 ジェネラルマネージャー 田口歩氏

 

ユーザーの反応から新しい市場を掘り起こす

――どのような体制で運用されていますか?

江部氏:実際の運用は、複数人で運用しています。週に1回、編集会議を行い、そこでコンテンツを決めています。

なお営業部門など他の部署からあがってくる情報や要望は、リクエストフォームを用意して集約できるようにしており、編集会議で発信するかどうかを判断します。編集会議での決定を元に、夢をのせてつぶやきを作っています。

田口氏:サンリオニュースのアカウントでは、話題になりそうな記事を厳選してつぶやいていますが、フォロワーの方々の反応を日々受け止めながら、より良い記事づくりを目指しています。例えば、バンダイさんとのコラボでハローキティの超合金を紹介した時は、私たちの予想をもはるかに超える大きな反響がありました。ある意味すごく意外性のあるコラボレーションだったので(笑)、これほど幅広いユーザーから支持されるというのは新たな発見でした。Twitterはこれまで自分たちが気づいていない市場を掘り起こすためのアンテナとしての機能も期待できそうですね。

 

夢を伝えるためのTwitter。運用者は常にハッピーな気持ちで

――江部さんが先ほどおっしゃった「夢をのせて」つぶやくって素敵ですね!運用ではどのようなことに気をつけていますか?

江部氏:常にお客さんの目線を忘れないことが一番大切ですね。そして、運用している私自身が楽しくいられることも大事です。サンリオは皆さんに夢を贈る会社で、夢を贈る人がしょんぼりしていたらだめですよね。だから、自分が一番ハッピーでいられるようにということは意識しています。

田口氏:江部は、Twitterの担当になる前は「いちご新聞」というサンリオのファン向け月刊誌の編集長をしていました。いちご新聞は、ファンとの距離が非常に近い媒体で熱烈なファンが多いんです。ファンは「いちごメイト」というのですが、いちご新聞のお兄さん、お姉さん宛てに手紙を書いてくれて、それに直接返信したり、実際にイベントを開催して交流するといった活動をサンリオとして40年以上続けています。

江部はその編集長だったこともあって、ファンとの触れ合い、コミュニケーションのあり方を良く理解しており、その経験が現在の運用にも活かされていると思います。

江部氏:いちご新聞は1975年に創刊したので、最初の読者の方は現在40−50代になられます。中にはお孫さんがいる方もいて、三代にわたってサンリオファンという方もいらっしゃいます。Twitterのほうは若い世代に多くフォローしてもらっているので、その子たちが親世代になった時に、親子で思い出を共有しながらサンリオキャラクターへの思いをつないでいってくれるといいなと思います。

ソーシャルメディアによって、ファンとの距離はさらに近くなって、フォローしてくれる方は毎日キャラクターの声を聞くことができますし、返信をしてくれます。こうしてお互いに思いを伝え合うことで、いちご新聞とは違った形でロイヤリティを高められればと思います。

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メディア部 ネットコミュニケーション課 主任 江部麻由美氏

 

人気者マイメロディちゃんだからできるつぶやきも

――やはり若い世代のファンが増えているのでしょうか?

田口氏:Twitterの反応を見ているとキキララを最近知ったという若い世代も増えているように思います。キャラクターによって、ファン層は少し違うのですが、例えばマイメロディは中高生のファンが多いですし、キキララは昔からずっと好きでいてくれるファンが多いですね。

――キャラクターごとに運用の方針は違うのですか?

江部氏:キャラクターごとにマーケットが異なっているので、見ている人たちの違いを意識して運用しています。例えば、マイメロディはやんちゃというか天然ボケもあるみんなの人気者というキャラクターなので、ネタ投稿も許可していますし、みんなもそれを許しちゃうという感じです。一方でキキララはファンシーな世界観なので、ネタ的なつぶやきは控えるように各キャラクターには指示しています。

この層には何を言ってもいいけど、こっちには礼儀正しく接するというような暗黙的なノウハウになるのですが、ファンが期待するキャラクターのコミュニケーション、ファンが求めるキャラクターのイメージを崩さないように運用しています。

――キャラクターごとにレギュレーション、ガイドラインのようなものがあるのですか?

田口氏:キャラクターアカウントの運用ではガイドラインを決めるところが多いと思いますが、それだと 決まりきったこと、無難なことしか言わなくなってしまい、Twitterの良さを消してしまうので、サンリオではあえて厳しいガイドラインは作っていません。ファンとキャラクターが血を通わせたコミュニケーションをするには、ここまでは言ってもいい、ここはだめ、というのを模索しながらやることで、新しい可能性がでてきます。

一方で、明文化されたガイドラインがないということは、運用のノウハウが個人の中に埋没してしまう懸念もあります。運用ノウハウの共有、人材の育成は今後の大きな課題です。

 

エンゲージマネージャーの活用法

――運用ツールはどのようにして選定されましたか?

田口氏:候補となる運用ツールをいくつかピックアップして、機能面、コスト面の比較表を作って検討した結果、複数アカウントの運用に最も適しているという点と、効果測定・分析機能が充実している点を評価して、最終的にエンゲージマネージャーに決めました。

――どのように活用されていますか?

江部氏:常にエンゲージマネージャーの画面を開きっぱなしにして見ています。紙媒体との一番の違いは、反応が数字ですぐに返ってくるところですね。リツイート、お気に入り、返信の数がわかるので反応を見て次のつぶやきに活かすことができます。

エンゲージマネージャーでは、リプライをくれた人のアカウントをチェックできるのも助かっています。もう一人の担当者がどういうユーザーなのかをチェックして、キャラクターのファン分析をしています。またユーザーがフォローしてくれた日付がわかるのもいいですね。エンゲージマネージャーでユーザーのアカウントを確認してフォロー返しを手動で行うようにしています。

――運用の効果測定指標は?

田口氏:ソーシャルメディアの運用には工数がかかっているため、そのビジネス上の妥当性や効果を評価するべきなのですが、今はまだROIをダイレクトに計測する方法を持っていないという状況です。

ただ、メディアパワーという点では、現在すべてのアカウントを合わせて約100万人を超えるユニークユーザーがおり、一定の成果をあげているとは思っています。日々100万人に情報を届けているというのは重要ですし、今後これをビジネスにどうつなげていくかを考えていく必要があります。

 

ファンとの距離を近づけるソーシャルメディアの可能性

――今後はどのようなことを目指していきたいですか?

田口氏:ソーシャルメディアを始めたのは、Webサイトのコンテンツ、ソーシャルメディア、どのような形でもユーザーとコミュニケーションをし続けていきたいという思いがあったからです。

今後はさらにデジタルマーケティングの施策として、ユーザーをより深く理解するための取り組みを強化していきたいと思っています。今はリプライをしてくれた人の属性などを見ていますが、もっと大きな括りで、現在ファンの人達はどのような人なのか、これからファンになってくれる可能性がある人はどのような人達なのか、そしてそういう方々にソーシャルメディアを通してどう近づいていけるのかということを考えていきたいと思っています。

――これからもさらにサンリオのコアなファンが増えそうですね。本日はありがとうございました!

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<インタビュー・原稿執筆協力: 深谷 歩(株式会社深谷歩事務所 代表取締役)>

 


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