2015/02/13

【広報担当者必見】ソーシャルメディアにおける企業のリスクと対策を改めて解説

ソーシャルメディアにおける企業の「炎上」、つまり「特定の企業に対して批判が集まること」は、2010年頃からソーシャルメディアの普及とともに増え始め、いまだに後を絶ちません。例えば、飲食店のアルバイト店員の不適切投稿による炎上などは定期的に発生しています。

今では多くの企業がソーシャルメディアをマーケティング、つまり企業活動における「攻め」に活用することが多いと思いますが、一方でしっかりと「守り」の部分も押さえておかないと、思わぬトラブルでブランドイメージを毀損しかねません。

そこで今回は、ソーシャルメディアにおける企業のリスクには、どんな種類があり、どのような対策をすればよいのか、について、改めて解説したいと思います。広報やマーケティングを担当されている方は、ぜひご一読ください!

<目次>

 

ソーシャルメディアにおけるリスクの種類

ソーシャルメディアにおけるリスクの種類は、大きく分けて以下の3つです。一般的には、誠実さを欠いた行いが原因となり、炎上やトラブルを引き起こすケースが多いです。

<図1>炎上および企業リスクの種類

 

マーケティングやコミュニケーションのミス

企業が運営する公式アカウントからの投稿やキャンペーンが不適切なことによって生じるリスクです。災害発生時に不謹慎な投稿をして炎上するケースや、公式アカウント上でユーザーから不都合な投稿があった際に投稿自体を削除してしまい炎上するケース、ソーシャルメディア上でユーザーに対して横柄な態度をとることなどが該当します。

顧客サービスのミス

顧客が、商品やサービスの問題点を見つけ(または不満を持ち)ソーシャルメディア上に投稿することによって生じるリスクです。カップめんの購入者の異物混入を訴えるツイートが発端となって炎上するケースや、アパレル店舗スタッフの接客態度に問題があったことを投稿されて炎上するケースなどが該当します。

一般従業者の不適切発言・行為

社員や契約・派遣社員、アルバイトなど、雇用形態に関わらず、その企業で働く一般従業者の不適切発言や情報漏えいによって発生するリスクです。コンビニ店員がアイス用冷蔵庫に入った写真を投稿したことで炎上したケースや、ホテルのアルバイト社員が宿泊客の情報を投稿したことで炎上したケースなどが該当します。
炎上事故のうち、企業発信によるものは少数で、一般従業者の個人アカウントからの投稿に起因するものが大半を占めています。

 

リスク対策の方法

リスク対策は、大きく「予防」と「炎上発生時の対応」の2つに分かれます。

予防策は、「社員のソーシャルメディアを利用する上でのルール決め(ソーシャルメディアガイドラインの策定)」と、ルールを含めた使い方を理解・定着させるための「社員に対する教育の実施」に分かれます。

どれだけ会社や社員からの投稿に気をつけていても100%完璧ということはありません。顧客サービスのミスなど、ソーシャルメディア以外の場所での出来事に起因するリスクもあります。そこで、予防策と同時に炎上が発生してしまった時の対応方法も決めておく必要があります(炎上対応マニュアルの策定)。

まとめると、下図のようになります。

<図2>ソーシャルメディアにおけるリスク対策

 

(1)ソーシャルメディアガイドラインの策定

ソーシャルメディアを利用する際のルールや注意点を記載したものです。具体的には、以下の3つに分かれます。

●一般従業者向けソーシャルメディアガイドライン

一般従業者によって生じる炎上事故が大半を占める以上、企業としては企業発信だけでなく、一般従業者の個人利用にも配慮する必要があります。そのため、正社員はもとより契約社員やアルバイトも対象としたガイドラインを作成します。

●公式アカウント運営者向けソーシャルメディアガイドライン

TwitterやFacebookページなど、企業の公式アカウントを運営する社員向けのガイドラインです。公式アカウントの開設・運用ルールなどを定め、不適切な投稿やキャンペーンによる炎上事故を未然に防ぎます。

●(公開用)ソーシャルメディアポリシー

ソーシャルメディアに対して、一企業としての姿勢を対外的に示すことを目的として、コーポレートサイトなどでの公開用に定めるものです。ガイドラインが社内向けの具体的な内容であるのに対し、ポリシーは「当社はソーシャルメディアとどう向き合い、参加するのか」という “思想”や“心構え” を短い文章で完結に記載します。

策定には、広報部門だけでなく、営業部門やマーケティング部門、カスタマーサービス部門などの関連部署を巻き込んだ策定プロジェクトを立ち上げ、原稿作成→確認→修正→最終承認、というステップを踏むため、少なくとも数ヶ月は必要となります。

(2)教育の実施

教育の目的は、「ソーシャルメディアリテラシーの底上げ」です。

多くの炎上事故は、従業員がソーシャルメディアの仕組み(特に「自分の投稿がどこまで公開されているのか」)についてよく理解していない、トラブルとなりやすい投稿は何かを知らない、といったことが原因で起こります。つまり、炎上させようとしているのではなく「悪気はないのに」配慮に欠けた投稿をしてしまったことにより炎上してしまうケースがほとんどなのです。

この問題は、必要となるいくつかの知識をインプットすることで解決できます。全社員に対しては、大人数が短期間で効率的に知識をインプットできるeラーニングを実施し、対象者が限られる公式アカウント運用者向けには、別途座学の研修を実施する場合が多いです。

(3)炎上対応マニュアルの策定

どんなに予防策を打っていても、リスクをゼロにすることはできません。万が一、炎上やトラブルが発生してしまった際に迅速に対応するために、炎上対応マニュアルを策定します。

炎上対応マニュアルには、「炎上リスクや炎上のメカニズム」、「炎上発生時におけるエスカレーションフロー」などを記載します。

特にエスカレーションフローは重要で、リスクの発見から第一報の受けリスクの度合いを判断する部門、そしてリスクの度合いによって対応方法を検討・決定するフローや、対応検討中にしておくべきアクションなどを記載します。多くの部門が関係してくるため、関係各所を巻き込みながら策定する必要があります。

また、企業によっては、すでに危機管理規定などのルールが整備されている場合があるので、既存の規定と整合性を取りながらエスカレーションフローを決めます。

 

欠かせないのは「教育」

下表は、国内大手企業数社の従業員が回答したアンケート結果の一部抜粋です。4つの質問は、全て「いいえ」という回答が望ましいのですが、やはり全体のうち数%は、ソーシャルメディア上でトラブルや情報漏えいの元となるようなリスクのある行動を取ってしまっています。

<表>一般従業員向けアンケート回答結果(複数企業の平均値)

上表で「はい」と答えた社員は、高い確率でソーシャルメディア上のリスク自体を理解していないと考えられます。そのような社員がソーシャルメディア上で不用意に投稿すると、高い確率で炎上・トラブルにつながってしまいます。この「数%」を「ゼロ」に近づけるためには、全社員がソーシャルメディアのリスクについて知ることが必要です。

ソーシャルメディアガイドラインや炎上対応マニュアルの策定は重要ですが、ドキュメントを整備しただけでは従業員のソーシャルメディアのリスクに対する理解はなかなか深まりません。

そのため、理解の浸透・定着を図るには、教育が必須となってきます。方法としては、全社員に対して座学の研修を実施し直接面と向かって伝えるのが理想です。とはいえ、実際には社員数が多い場合などは全員に対して研修を実施することが難しいケースもあるため、大人数に対して短期間で知識をインプットできるeラーニング形式で教育する企業が増えてきています。

eラーニング教材のイメージ

 

まとめ

以上、ソーシャルメディアのリスク対策について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

ひとたび炎上が起これば、企業のイメージダウンにつながるだけでなく、発端となった社員個人に対しても容赦ない批判が浴びせられ、相当な社会的ダメージを被ります。社員の人生を守るためにも、ソーシャルメディアのリスク対策は必須項目です。

ぜひ、リスク対策に取り組む中で、ソーシャルメディアの理解を深め、顧客やソーシャルメディアユーザーと誠実に向き合う企業文化を醸成していっていただければと思います。

それでは、また次回!

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