2019/03/20

オンライン掲示板「Pantip」からみる、タイのZ世代と消費行動


 
こんにちは。
マーケティングデザイン事業部でグローバルマーケティングを担当している太田です。
 
トライバルメディアハウス(以下、トライバル)では、ASEANを中心とした海外市場向けのマーケティング支援も行っています。昨年、ASEANでZ世代の消費動向を調査してきたのですが、なかでもタイの人たちが購入に至るまでの情報収集手段として利用している、「Pantip(パンティップ)」というサービスがとても重要な役割を果たしていることが分かりました。そこで今回は、調査結果とともに、その「Pantip」がタイの人たちの購買行動にどのように影響を与えているかをご紹介したいと思います。
 
 

■調査について

・調査対象:タイのバンコク在住のZ世代の男性6名、女性6名
・調査方法:グループインタビュー
・調査内容:購入に至るプロセスの調査。なお、調査対象が興味をもっているカテゴリーとして、男性は「バイク」「カメラ」、女性は「コスメ」を例に、購入を決めるまでの情報収集の流れを調査している。
※調査対象の12人は、いずれも普段からSNSを積極的に利用しているSNS高関与層。
※ここでのZ世代は、1990年代後半~2000年代前半に生まれた世代を指しています。
 

■タイのZ世代の情報収集方法

男女別に実際の情報収集方法とコメントをまとめてみました。
—–
男性グループ
 
日常の主な情報源
SNSやインターネットのほか、駅や電車内の広告やフリーペーパーを見る。雑誌やTVはあまり見ないが、TVはオンライン視聴することがある。
 
情報収集の流れ(参加者の回答を一般化したもの)
1. Google検索:ブランド名・商品名・型番の検索をする
2. メーカーWebサイト:細かい商品特徴の把握をする
3. Pantip:実際の利用者のレビューを確認する
4. Facebookコミュニティやファンページ・YouTube:レビューや使い方などを確認する
 
—–
 
女性グループ
 
日常の主な情報源
SNSやオンラインのほか、デパートや交通機関、屋外広告、フリーペーパーを見る。雑誌は文字が多すぎるので読まない。TVは、仕事などで放送時間に間に合わないことが多く、バックナンバーはLINEやYouTubeでも見られるので、あまりオンタイムで見ることはない。
 
情報収集の流れ(参加者の回答を一般化したもの)
1. YouTube検索:外国人によるレビューを確認する
2. Pantip/YouTube検索:タイ人によるレビューを確認する
3. 店頭:色などを確認する
4. EC:価格比較をする
5.(購入後)YouTube検索:使い方を確認する
—–
 
Z世代かつSNS高関与層ということで、男女ともにほとんどインターネットで情報収集をしていること、そしてレビュー(クチコミ)を非常に重視していることがわかりました(これは、比較サイトやQ&Aサイトをよく利用している日本人と近いかもしれません)。
ただ、日本では聞きなれないサービスがどちらのグループにも入っていることにお気づきでしょうか。そう、それが冒頭でもご紹介した
 
Pantip(パンティップ)
 
です。男性は3番目、女性は2番目にこのPantipを挙げています。
では、このPantipが、タイの人たちの購買意向形成にどのように影響しているのでしょうか。サービスの特徴とタイにおけるレビューの役割を見てみましょう。
 

■タイで人気の「Pantip(Pantip – Learn, Share & Fun)」とは

タイで人気のオンライン掲示板で、恋愛相談から経済ニュースまで幅広いトピックを扱い、気になるトピックに関する質問や似たような疑問を持つ人の質問・レビューを検索することができます。
※サービスページはこちら(もちろんタイ語) https://pantip.com/
 
基本は誰か(ユーザー)の質問に対して他のユーザーが回答する形式ですが、そのトピックの専門家から、より有益な回答がもらえる場合もあるんだとか。
ユーザーは、会員の種類によって立てられるスレッドの種類や回答の可否が異なるようで、すべて利用するには身分証明証による本人確認が必要。スレのタイトルに「CR(Consumer Review)」「SR(Sponsored Review)」と表記をしたり、「いいね」などでリアクションができたり、細かい仕様はブログやSNSにも近そうです。基本、スレには「企業」ではなく「個人」が投稿しているという点もユーザーに人気の理由だといいます。
 

■Pantipと他プラットフォームのレビューは何が違う?

レビューを大事にしていることはわかりましたが、Pantipとそれ以外のプラットフォームのレビューをどのように捉え(区別)しているのか聞いてみました。
 
①Facebook:自分の身の回りの人の感想を見る
②Pantip/YouTube:専門家やすでに使っている人のレビューを見る

 
Facebookにいる友人よりも、そのトピックに強く信頼性の高いレビュアーがいるPantipやYouTubeでの検索を好むという意見がありました。
とくにPantipはトピックの専門家やすでにその商品を使っている人が多く存在しており、細かい&濃い内容のアドバイスやコツが充実しているだけでなく、商品の使用感やスペックについても率直な意見・回答が集まっているといいます。
 
コスメは、InstagramやYouTubeでの海外インフルエンサーの影響が大きいようですが、「自分に合うのか」という観点で「タイ人のレビュー」を求めてPantipで一般ユーザーによる使用感をチェックしているとのこと。
 
また、その意見が本当かどうかはFacebook/Pantip/YouTubeをクロスしてチェックすることで検証しているそうです。やはり最終的な信頼性(真偽)は、自分で確認しているんですね。
 

■タイではどのようなマーケティングが有効?

「タイでのレビューの重要性は明らかになったし、(購買意思決定に大きな影響を与える)Pantipというプラットフォームがあるなら、いっそそこでマーケティングすればいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、Pantipはあくまでバイアスのかかっていない個人の意見が集まるところであり、企業がマーケティングツールとして使うと現地のコミュニケーション文化を理解していないブランド、と見なされかねないリスクもあります
 
むしろ、タイにおいてはPantipでレビューを確認する「比較・検討」フェーズの前段階である、「認知~興味・関心」のフェーズに力を入れたマーケティングを展開すべきだと私は考えています。
 

 
このフェーズにおいては、SNSを活用してプレゼンスを上げることができます
女性グループのコスメ購買動向にいたっては、どんなに海外や日本での知名度が高くても、タイでのソーシャルプレゼンス(SNS上での存在感)がないと、Pantipを使った検討フェーズにすらいかないという声もありました。「検索してもSNS上にその商品に関する投稿が出てこなかったら、それ以上調べない」というのです。韓国コスメはSNSが充実しているだけでなく、反応が良ければすぐにデパートに出店してくれる、という意見もありました。
今回のグループインタビューでは、「情報収集」のきっかけとしてSNSの広告や友だちの投稿も大きく寄与していることがわかっています。
 
つまり、いくらPantipが多くのユーザーと価値ある情報を抱えているプラットフォームだとしても、ソーシャルプレゼンスが低ければその土俵に上がることすらできないのです。
だからこそ、前述のように「認知~興味・関心」フェーズでのマーケティングがネックになります。
今後、タイでのマーケティングを検討する際はぜひ参考にしてみてください。
 
 
トライバルのグローバルマーケティングチームでは、現地のコミュニケーションを理解した海外市場向けのSNS運用の戦略策定・運用・レポーティングも手掛けていますので、お気軽にご相談ください!
 
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