2017/02/02

【熱狂ブランドサミット 2016 レポート(1)】顧客満足を超え、熱狂へ! 果てなき消耗戦から抜け出すカギは顧客の熱狂にあり。

こんにちは! 熱狂ブランド戦略の水先案内人こと、沸騰ナビゲーターの井手です。

トライバルメディアハウスでは、顧客にオドロキと感動を届け、顧客から熱狂的に愛されているブランドのことを『熱狂ブランド』と呼び、「なぜ、顧客から熱狂的に愛されることが重要なのか?」、「どうすれば、自社ブランドを熱狂ブランドに育てることができるのか?」をテーマにした『熱狂ブランドサミット』を2016年12月14日に開催しました。

この【熱狂ブランドサミット2016 セミナーレポート】では、当日ご参加いただけなかった方や「参加したけれど、もう一度改めて理解したい!」「熱狂ブランドってなに?」という方のために、本サミットのキーノートやパネルディスカッションの内容を数回にわたってご紹介します。

第1弾は、トライバルメディアハウス代表である池田がスピーカーを務めた「キーノート1 顧客満足を超え、熱狂へ! 果てなき消耗戦から抜け出すカギは顧客の熱狂にあり」。それでは、さっそくどうぞ!

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▼大切なのは5年、10年と続く持続可能な競争優位の獲得
数えきれないほど多くのブランドがあるけれど、どの商品も品質はほとんど変わらないから値段が安いほうを選ぼう……そんなコモディティ化の進む現代では、あらゆる業種・業態において熾烈な価格競争が繰り広げられています。また、このようなレッド・オーシャンと呼ばれるマーケティング環境下において事業計画を達成するためには、プレゼントキャンペーンや値引きのインセンティブなどによる短期的な売上・利益の獲得が重要になっていることは重々承知しています。ですが、国内の人口が縮小の一途をたどっているこの時代に利益を削って短期的な売上を獲得する施策に頼ってばかりでは、競合ブランドとの果てなき消耗戦に陥ってしまうことは明らかです。

皆さんは、どうすれば価格競争に巻き込まれずに3年、5年、10年と持続可能なブランドの競争優位を獲得できると思いますか?

 

▼この問いに対して、導き出した答えこそ『熱狂ブランド戦略』
答えは一つ。顧客から熱狂的に愛される熱狂ブランドを育てることこそが持続的な競争優位性を獲得する唯一の道であると私たちは考えています。「どうすれば売れるか」から卒業し、「どうすれば顧客は熱狂するか」を真剣に考えなければならない時を迎えているのです。
売上は、ブランドに対する顧客の熱狂度が向上すれば、必ず後からついてきます

 

▼最安戦略から脱出し、いかに最高かつ最愛のブランドを提供できるか?
世の中で売れ続ける商品というのは、最も優れた機能や品質を備えている最高商品か、最も安く購入することができる最安商品、最も顧客から愛されている最愛商品のいずれかに当てはまります。ですが、そのなかでも最安戦略は採るべきではありません。これは、一回でも安い金額で購入した顧客が、定価に戻した瞬間に「高い」と感じるようになり、値引きをした時にしか購入しなくなったり、値引きをしている商品しか選ばなくなるためです。また、この最安戦略は最安を求める最安顧客ばかりを呼び込み、ブランド価値の棄損や弱体化を促してしまうため、最善の戦略とは言えません。

では、最高商品戦略はどうでしょうか? さまざまな研究を重ね、画期的なイノベーションを起こして素晴らしい機能や品質を備えたモノをつくり出したとしたら、最高商品戦略で勝負したい! と考えるのはメーカーのプライドとして至極当然のことです。しかしながら、コモディティ化の波ヒット商品確率の低下プロダクトライフサイクルの短命化といった現状を踏まえると、機能や品質だけで中長期的な競争優位を獲得することは難しいと考えざるを得ません。

今後は、いかに最安戦略から脱出し、最高商品を目指しつつも、顧客から最も愛される最愛ポジションを獲得できるかが大切になってくるのです。

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▼顧客の愛は簡単に獲得できない、だからこそ競争優位につながる
最愛ポジションを獲得することによって、顧客は次も買ってくれるだけでなく、ブランドに熱狂している状態だからこそ購入アイテム点数や購入頻度の増加を期待することができます。つまり、顧客一人当たりの購買量が増え、ブランド全体の売上や利益の向上が見込めるということです。
また、ブランドを愛してやまない熱狂顧客(熱狂的推奨者)が友人・知人にブランドを紹介したり、積極的にSNS投稿を行ってブランド認知や評判を高めてくれるために、新規顧客獲得に必要なマーケティングコストを減らしてくれるというメリットもあります。売上が増え、コストが減るので、当然利益率は向上します。加えて、これはお客様の「愛」が伴っている売上なので、他社がディスカウントキャンペーンなどの施策を講じても競合他社へ簡単に乗り換えるようなことはせず、中長期にわたって持続的なブランドの売上と利益を支える源泉となります。
ただし、ここで注意しなければいけないのはお客様の愛はお金で買えないということ。お客様にブランドを好きになってもらい、愛してもらい、熱狂状態になってもらうためには時間と手間をかけなければなりません。ですが、その時間と手間をかけた分だけ競合他社が容易に真似することができない競争優位の確立につながります。

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後半のキーノートでは、20業界200ブランドを対象に実施した「熱狂的推奨者実態調査2016」の調査データを用いて、ブランドに熱狂している顧客の売上や推奨実績を具体的に説明するとともに、熱狂顧客を育てる必要性や熱狂顧客を大切にする重要性を改めて訴えます。
※調査データはページ最後のリンクからダウンロードすることができます。
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▼熱狂度が高い顧客ほど、ブランドの購入金額や他者への推奨経験率が高まる
この「熱狂的推奨者実態調査2016」は、「ブランドのことを愛してやまない熱狂的な顧客ほど、ブランドの購入金額や他者への推奨回数が高まる傾向があるのではないか?」という仮説のもと、各ブランドのメイン購入者(同一業界内で、調査対象ブランドをメインに購入している顧客)に、ブランドに対する熱狂度および推奨意向(NPS調査)個人の年間購入金額(もしくは消費量や利用量)および推奨経験率(友人・知人への推奨経験を持つ顧客率)の相関を調査したものです。この調査によって、全業界に共通して以下のような傾向がみられました。

・ブランドへの熱狂度が上がると、購入金額と他者への推奨経験率が向上する。
・推奨意向が高くても、熱狂度が低いと、購入金額と推奨経験率が向上しない。

つまり、顧客一人当たりのLTV(顧客生涯価値)向上や推奨者の育成を行いたいのであれば、推奨意向の向上だけでなく、顧客のブランドへの熱狂度を高める必要があるということです。

 

▼推奨意向が高くても、熱狂していないと推奨やSNS投稿は発生しづらい
お茶系飲料のブランド調査結果を見てみると、推奨意向が高い顧客であってもブランドに熱狂している顧客と熱狂していない顧客の間には、推奨経験率に大きな差があることが分かりました。

例えば、推奨意向は高いけれど熱狂度が「3」の顧客の場合、友人・知人への推奨やSNSなどでブランドに関する投稿を行ったことがあるという経験率は約34%でした。つまり、ほとんどの顧客は推奨経験がないのです。一方で、推奨意向が高く熱狂度も高い顧客(熱狂度が「5」の顧客)の経験率は約61%。大半の顧客は推奨経験があるという結果になっています。

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また、推奨した人数についても大きな差が見られます。推奨意向は高いけれど熱狂度が「3」の顧客は、過去一年間にブランドを推奨した人数の平均が約5人ですが、熱狂度が「5」の顧客は約9人と倍近くに増えているのです。この結果から、熱狂している顧客は推奨経験者が多いだけでなく、推奨行動回数も高いということが明らかになりました。

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信頼できる人からの推奨やSNS上での友人・知人による投稿が生活者の興味喚起、購買意思決定に大きな影響力を与える時代になったからこそ、ブランドに対する顧客の熱狂度を高め、ブランドの推奨者を増やすことに価値が生じ始めているのです。

 

▼おわりに
前半のキーノートでもお伝えしたように、熱狂顧客(熱狂的推奨者)の醸成は時間と手間が必要な長い旅路です。マーケティング本部長・事業部長といった役職者の深い理解と、少なくとも3~4年の中長期的なコミットメントが不可欠になります。ですが、この「熱狂ブランド戦略」に真剣に取り組むことによって、顧客とブランドの双方が幸せになれるマーケティングのパラダイムシフトが起きることは間違いありません

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【参考】熱狂度とは?
熱狂スコアは、ブランドに対する顧客の愛情の強さを測定するトライバルメディアハウス独自の指標です。summit1_5re

 

【資料ダウンロード】調査レポート
熱狂的推奨者実態調査 2016 ~ブランドの持続的な利益成長の鍵は、顧客の熱狂度にあり~

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以上、【熱狂ブランドサミット 2016 セミナーレポート】第1弾では池田のキーノートをご紹介しました。
第2弾では、「よなよなエール」などのクラフトビール製造・販売を行う、ヤッホーブルーイングの代表取締役社長である井手直行氏をスピーカーにお迎えした「キーノート2 熱狂はこうして生まれる!「よなよなエール」大躍進の秘密」をお届けします!

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