2014/07/31

FacebookとTwitter、直近1年間の買収企業まとめ

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FacebookとTwitterは、ともに豊富な資金力でさまざまな新興企業を積極的に買収しています。今回の記事では、2013年7月からの1年間で買収した企業をまとめ、そこからFacebookとTwitterが将来に向けてどんな準備を進めているのかを読み取ってみたいと思います。

 

Facebookが買収した企業

 

直近1年でFacebookが買収した企業の一覧は以下のとおりです。この中でも特に話題となったのは「WhatsApp(ワッツアップ)」と「Oculus VR(オキュラス・ブイ・アール)」の買収です。

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世界最大のメッセージングアプリ「WhatsApp」を買収

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WhatsAppは、月間アクティブユーザー数4億5,000万人を誇る同名のメッセージングアプリを提供する会社です。初年度無料、2年目以降は年間0.99ドルを課金しなければいけませんが、一切広告を入れないというポリシーをもっているサービスです。

巨額の買収で世間を驚かせましたが、Facebookの CEOであるザッカーバーグ氏は「WhatsAppは独立したビジネスだ」と表明しており、WhatsAppがFacebookのサービスに吸収されることはなさそうです。Facebookも自社のメッセージサービス「Facebook Messenger」を独自のアプリとして提供し、サービス改善を進めており、この買収は「SNSに取って代わってしまう可能性」を秘めていたWhatsAppというメッセージングサービスを早いうちに傘下にしてしまうことが狙いだったのではと推測されています。

 【参考】「WhatsAppは独立したビジネス」、FacebookのザッカーバーグCEOが強調
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140225/539145/

 

仮想現実ヘッドセット提供企業「Oculus VR」の技術を手中に

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Oculus VRは仮想現実ヘッドセット「Oculus Rift」を開発している新興企業。このヘッドセットを装着してゲームをプレイすると、自分の頭の動きに合わせてゲームの視点が変わるため、ユーザーはまるでゲームの世界に入ってしまったかのような感覚を得ることができます。

もともとは新しいゲーム体験のために開発されたデバイスですが、ザッカーバーグ氏はゲーム以外にも様々な用途で活用していくことを検討しており、「自宅でゴーグルをかけるだけで、コート際の席で試合を観戦したり、世界各地の生徒や教師がいる教室で学習したり、医者と顔を合わせて診察を受けたり、興味のある製品に触って検討することが可能な仮想世界の店舗でショッピングをしたりすることを、想像してみてほしい」と語っています。

Facebook上でのコミュニケーションを、現在の文字と画像主体のものから、この技術によって現実世界のコミュニケーションに近づけようという意欲を感じさせます。

【参考】FacebookによるOculus VR買収–ザッカーバーグ氏の描くビジョンとは
http://japan.cnet.com/news/commentary/35045678/

 

モバイル技術の強化や、新興国のアクセス環境整備を目的とした買収も

一方、自社サービスに関してはモバイル対応に注力しており、「Moves(ムーブス)」「LiveRail(ライブレイル)」「Little Eye Labs(リトル・アイ・ラボ)」といったモバイル技術系の企業をいくつも買収しています。これらの企業の技術を活かして、急成長するモバイル広告のさらなる収益化に繋げることが狙いと見られています。

また、Facebookはブロードバンド回線が整備されていない地域やインターネット環境を持たない世界中の50億人をネットに繋げることを目的に、エリクソンやサムスンとともに「Internet.org」という団体を立ち上げ、その一環としてモバイルデータ通信をより安価な方法で提供するフィンランドの企業「Pryte(プライト)」やモバイルデータを圧縮して提供するイスラエルの企業「Onavo(オナヴォ)」などを買収しています。

 

Twitter が買収した企業

 

つづいて、直近1年でTwitterが買収した企業の一覧は以下のとおりです。

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ソーシャルデータ分析系企業を多く買収

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Twitterは、自社サービスを拡充することを目的に新興企業の買収を続けています。

特にソーシャルデータ分析を手がける企業を多く買収しています。「Gnip(グニップ)」は2008年からツイートデータの収集・分析を手がけており、これまでもTwitterとは提携関係にありましたが、2014年4月に買収されました。

ソーシャルデータ分析の中でも、特に「テレビ」に関連する新興企業の買収にも力を入れており、2013年8月にアメリカの大手テレビ局向けに分析データを提供する「Trendrr(トレンダー)」や、フランスの「Mesagraph(メサグラフ)」、イギリスの「SecondSync(セカンドシンク)」を買収しています。どの企業もTwitter上でのテレビ関連の会話を収集し、コンテンツ分析や広告利用を目的として、放送局・広告主向けに提供しています。

これらのソーシャルデータ分析企業の買収によって、Twitterは高度なツイート分析に基づく、より精度の高い広告メニューの開発を進めると見込まれています。特に、相性のよい「テレビ」との距離を縮め、放送局・大手広告主を狙った収益拡大に向けて動いていることが分かります。

 

「MoPub」の買収によりモバイル対応を強化

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モバイル広告技術を提供する「MoPub(モパブ)」の買収は、Twitter最大規模の買収として話題となりました。TwitterはMoPubのリアルタイム入札機能を広告プラットフォームに組み込むことで広告主の利便性を高めるほか、モバイルアプリのインストール広告も開発し、さらなる収益化を目指しています。

また、Twitterは最近、ユニークな買収もいくつか行っています。2014年6月に買収した「Snappy TV(スナッピー・ティービー)」はスポーツやエンターテインメントなどのライブ映像をリアルタイムに編集して配信することができるサービス。Twitterは動画広告に配信方法・編集の部分から力を入れる見込みです。また、2014年7月には決済インフラを手がける「CardSpring(カードスプリング)」を買収し、ユーザーに対してツイート内での決済ができるような仕組みを提供していく見込みです。

このようにTwitterは積極的に外部サービスを買収して、自社サービスに組み込み、より強固な収益プラットフォームを構築しようとしていることが伺えます。

 

 

まとめ

 

直近で買収した企業を眺めてみると、Facebook、Twitterともにモバイル対応に軸足をおいているという共通点はありつつも、以下のような特色が読み取れます。

 

Facebook

  • Oculus RiftやWhatsAppといった次世代のコミュニケーションサービスを早めに買収し、サービスの多角化によって規模の維持・拡大を目指している
  • インターネットにアクセスできない新興国のユーザーにリーチできるように通信環境から自社で手がけることで、新市場への拡大を目指している

Twitter

  • 膨大なツイートデータを活かした精度の高い新しい広告開発を進めている
  • 強みのあるテレビやエンターテインメントとさらなる融合を目指し、広告における他社との差別化をはかっている

 

今後も各社の動きを定期的にウォッチしてご紹介していきたいと思います。

それでは、また次回!

 

 

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