
2010年09月14日
マイクロソフトが位置情報サービスであるfoursquareを用いて、Meetupを開催。マスメディアやウェブメディア、ブログやツイッターを通して、およそ550万人にリーチし、イベントに対してつぶやかれた568のツイートはほとんどがポジティブなものでした。

Microsoftのfoursquare活用事例
マイクロソフト・オーストラリアが2010年6月、位置情報サービス「foursquare」を用いたキャンペーンを行いました。
それは、会社、家、カフェといったビジネスオフィスの「Mayor」(foursquareにおいて多くある場所にいった場合に与えられる称号)である人々を一同に集めるMeet upを開催することでした。
以下が、その告知ビデオです。
およそ1週間後に発売開始を控えた「Office 2010」のPRを目的として開催されたこのプロモーションがどのような成果を残したのか、詳しく見てみたいと思います。
イベント当日、実に258人の「Mayor」がチェックインし、先着110人が「Office2010」のコピーを獲得しました。

また、マスメディアやウェブメディア、ブログやツイッターを通して、およそ550万人にリーチし、イベントに対してつぶやかれた568のツイートは以下のように、ほとんどがポジティブなものでした。

オーストラリア最大の購読者を誇る新聞"The Australian"は記事の中で「Foursquareへのアーリー・アダプターはマイクロソフトの目的(Office 2010のPR)に最も合致する層だった。」と述べています。
日本でも東京は最も「Foursquare」利用が活発な都市の一つとして挙げられていますし、「mixiチェックイン」もサービスを開始しました。
これから、このマイクロソフトのような大規模な事例が増えてくるかもしれませんね。
(参考)http://www.slideshare.net/360digitalinfluence/ogilvy-on-how-to-use-foursquare-for-business
インターン 西村顕一 (@nike1125)
監修:@IHayato

2010年09月10日
フォードの新型「エクスプローラー」の発表には、これまでと全く異なるアプローチが取り入れられました。
新車発表をFacebookで行うことにしたのです。
Ford Facebookで新車発表
フォードは新車発表が行われる2010年7月26日までに、フォード「エクスプローラー」のFacebook ファンページは30,000以上のファンを集め、web上の他メディアとの連携を通じて5千万人以上にリーチすることに成功しました。
まずは「エクスプローラー」発表にあたり、作られたこちらのビデオをご覧ください。
このビデオの中にも「エクスプローラーは再発明(reinvented)された」とありますが、
「エクスプローラーの発表」の仕方自体も新車発表の仕方を再発明したといえるかもしれません。
それでは、この先例のない「新車発表会」の様子を詳しく見ていきたいと思います。
Facebook上で新車発表会を行うにあたり、フォードはwebの特性を生かし、誰もが新車発表会に参加できるように全体をデザインしました。
午前12時1分、まずFacebook ファンページ上に「reveal」タブが表示され、CEOらによる発表会に向けたビデオが視聴できるようになりました。
そして、午前7時40分には「エクスプローラー」の全貌を明らかにするビデオがいよいよ公開されました。
以下、次の写真のように一日をかけて新型車の詳細な紹介や開発者インタビュー、Q&Aセッションなどが行われました。

この新型車発表に合わせて、フォードはAOL、Yahoo、Washington Postといった他メディアと密な連携を取りました。
以下はCNNの例です。

webメディアを活用した大規模な展開によって、最終的にフォードは5000万人以上へのリーチを達成し、それぞれの広告に取り付けられた「like」ボタンを通じて、新たなファンを獲得しました。
今回のフォード「エクスプローラー」の事例は、誰もが参加できる新型車発表会であるという点で先進的ですが、さらにそれを体験したユーザーを通じて、よりコミュニケーションが活発化するのではないかと責任者は期待しているようです。
(参考文献:http://mashable.com/2010/07/26/ford-explorer-facebook-reveal/)
西村顕一(インターン) @nike1125
監修:@IHayato

2010年08月06日
Wine Libraryというアメリカのワインショップがソーシャルメディアを活用し、4億円の年商を50億円に伸ばした、という事例です。社長のゲイリー氏が超ハイテンションでワインを紹介する動画ブログが話題を呼んでいます。

熱い!動画ブログ
Wine Libraryというアメリカのワインショップがソーシャルメディアを活用し、4億円の年商を50億円に伸ばした、という事例です。社長のゲイリー氏が超ハイテンションでワインを紹介する動画ブログが話題を呼んでいます。
まずはこちらをご覧ください。
ご覧のとおり、ものすごいテンションの高さです。22分間ひたすらトークし続ける彼の姿からは、ワインに対する熱い思いを感じることができます。
WineLibraryのソーシャルメディア利用の柱は2つです。
(1)動画ブログ
ゲイリー氏自身が出演して一本の動画に対して2~3本のワインを紹介しています。この動画の成功要因として考えられるのが、『ゲイリー氏自身の面白さ』です。ワインショップの社長とは思えないほど荒々しくワインを飲み、ワインの名前と値段を大声で発表する。彼の楽しいビデオを見ていると、思わず購入ボタンを押してしまいます。
ゲイリー氏はまったくソムリエらしくありません。「ワインをオススメする動画」というと堅苦しいものを想像してしまいますが、ゲイリー氏の紹介は『ワイン好きの兄ちゃんがこれうまいから飲めよと言っている』というテイストです。現在までに895本ものビデオが投稿されています。
父の日にはゲイリーのお父さんを招待しての宴会に・・・
ビデオ500本目記念にユーザーを招待して行われた収録。
(2)ツイッター/Facebook
ゲイリー氏のTwitterアカウントには約85万人に及ぶフォロワーがいます。フォロワーからの質問に丁寧な返信をする、フォロワーに『今日も元気かい』などと問いかけるなど、ゲイリー氏の印象どおり、親しみやすいアカウントになっています。
Facebookページには現在約3万人の登録者がおり、ファン同士に会話の場を与えることによって、よりWine Libraryを理解してもらえるよう勤めています。

まとめ
Wine Libraryの年商が4億円から50億円になった背景には、ゲイリー氏の熱く親しみやすいパーソナル・ブランドがあります。ビデオブログ、Twitter、Facebookといったツールは、ゲイリー氏の個性を伝える最良の道具となっています。
彼の取り組みからは、「とにかく良いワインを飲んでもらいたい」というゲイリーの熱い想いが伝わってきます。こうしたポジティブなエネルギーが、彼を一躍人気者にし、結果的に高い収益に繋がったのでしょう。
<参照文献>http://tv.winelibrary.com/about/
SMMアナリスト @IHayato
翻訳・執筆協力:@kogi_suke

2010年07月21日

Blendtecという米国にあるミキサーメーカーのYouTubeを使ったバイラルCMの事例です。BlendtecのCEOが嬉しそうにiPhoneやブブゼラをミキサーに突っ込み、次々に粉々にしてしまいます。自社製品の「Total Blender」の強度をアピールするために始めたYouTubeCMでしたが、結果的には動画総計1億3000万回再生されるマンモスチャンネルになりました。
“バイラル動画”とは・・・
バイラル動画とは、クチコミで広がる動画コンテンツのことを指します。バイラル動画の代表としてヨーロッパの通信キャリア、T-MobileのCMがあります。
混み合っている駅構内で、突然鳴り響くダンスミュージック。一人の男が踊りだす。周りの人々も踊りだし、駅内は一気にダンスフロアに。350人のダンサーをエキストラとして起用しているこの動画は、2,000万PVという圧倒的な数字を達成しています。
バイラル動画の特徴
1) 低予算
TVCMのように枠を買って投下するというわけではないので安く済みます。コンテンツ開発においても、予算を掛ければ「ウケる」というわけではなく、低予算で作成される場合も多いです。
2) 当たれば大きいが、成功を予測することは難しい
せっかく作っても全く広がらない、という場合も多々あります。また、視聴者が楽しんでクチコミが発生しても、製品を買うに至るかどうかを予測・計測することも難しいです。
3) 製品やブランドメッセージと動画の内容をマッチさせるのが難しい。
クチコミを広げることを目的としているので、動画自体が面白いことが優先され、T-mobileのCMの様に最後になってやっとどこの会社のCMなのか分かることが多いです。
ミキサーで粉々に
Will it blend?は「面白いものをミキサーで粉々にする」というテーマのシリーズ動画です。話題の製品が登場すると、すぐに粉々にしています。現在100本程の動画がありますが、その中から3つ紹介します。
まずはiPhone。胸が痛みます…。
次にiPad。ミキサーに入らないのですが…。
最後はワールドカップで話題になった、あのブブゼラです。
成果
ブレンドテックの売上が伸びたことは興味深いです。
ミキサーと言う商品は一般的には低関与であるため、多くの消費者は「ミキサーなんてどれも一緒だ」と考えていることでしょう。しかし、これら一連の動画でBlendtechの名前に触れていた場合、ミキサーを買うときに「あぁ、iPhoneも壊せるヤツね」とまず手が伸びるかもしれません。
商品とブランドネームに対する強烈な印象を与えることに成功し、かつ楽しめるものになっている、非常に良くできたバイラルキャンペーンと言えるでしょう。
引き続き、ブレンドテックおじさんは話題のモノをミキサーで粉々にしていくことでしょう。次のApple製品が出た時は、YouTubeチャンネルをチェックしてみると良いかも知れません。
“Will It Blend” Videos Boost Sales 5x
SMMアナリスト イケダハヤト
翻訳・執筆協力 コギコウスケ

2010年05月12日

シボレー「ボルト」のキャンペーン。世界最大級のインタラクティブ・メディアの祭典「South by Southwest(SXSW)」に合わせて実施されました。2週間で6,110万回以上のソーシャルウェブインプレッションを獲得し、1万3千以上の関連ツイートを発生させたキャンペーンです。
ライバルはFord?
このキャンペーン、「8つのチームに新車を貸し出し、GMが提示するミッションをこなしてもらう」という趣旨のものなのですが、ここだけを見ると、第1回でも紹介した「Ford Fiesta Movement」とそっくりだったりします。
大きく違うのは期間です。今回紹介する「SXSW Road Trip Challenge」は2週間と比較的短いキャンペーンであり、「Fiesta Movement」は18ヶ月間という超長期的なキャンペーンとなっています。
しかしながら、GMのキャンペーンが短期的に終わるかというと、そうではないようです。GMのソーシャルメディア・ディレクターのクリストファー・バーガーは「今回のキャンペーンはスタートに過ぎない。キャンペーンの中長期的な成功を判断することは、今後のフォローアップと長期間のインタラクションにも掛かってくるだろう」と語っています。今後のGMの戦略に期待ですね。
キャンペーン概要
キャンペーンの概要を、企業ブログ事例として名高い「GM FastLane」から抄訳にてご紹介します。
シボレーの新車に乗って、ソーシャルメディアに長けた8つのチームが、ドライブしながら50のミッションをこなしていく。優勝者を決める要因には、こなしたミッションの数だけでなく、彼ら自身のツイッターやブログで発生したインタラクションも考慮される。
2/9~2/28の間に、閲覧者の皆さんからミッションの案を、ツイッターを使って集めていく。ミッションは「画像」「フィジカル・チャレンジ」「チャリティ」「コレクション」「インタラクション」の5つのカテゴリーで募集する。
Chevrolet’s SXSW Road Trip Challenge
募集の結果、選ばれた50のミッションは下記のようなものです。それぞれ二つずつ紹介します。
選ばれたミッション
■ 画像(Image)
シボレーのディーラーの従業員と一緒に写真を撮る
カウボーイ/カウガールと一緒に写真を撮る
■ フィジカル・チャレンジ(Physical Challenge)
シボレーのエンブレムかハッシュタグのタトゥーシールを貼る
エアロビクスのセミナーを開催する。できるだけ多くの参加者を集めること。
■ チャリティ(Charity)
図書館で子供に本を読んであげる
ホームレスシェルターで食事を提供する
■ コレクション(Collection)
最低6種類以上の水源(湖、川、滝…など)から水を取ってくる
シボレーディーラーのために、ソーシャルメディアを使っていない人を探し、50枚の名刺を集める
■ インタラクション(Interaction)
シボレーの新車を買ったばかりの人にインタビューする
ストリートミュージシャンと一緒に演奏する
他人を巻き込んで行われる性質のものが多く、オフラインでの情報拡散を期待していると考えられます。「コレクション」には「ソーシャルメディアを 使っていないユーザーから名刺を集める」なんて直接的なミッションもありますね。ソーシャルメディア施策において、ソーシャルメディアユーザー以外をどう 巻き込むか、というのは考えなくてはいけない課題でしょう。
優勝した「チーム・デトロイト」のミッションをいくつか見てみましょう。
「エアロビクスセミナーを開催する」
#DetChevySXSW completes the conduct an aerobics class video challenge. Girls just want to have fun right? from Henry Balanon on Vimeo.
「5人から靴紐を貰う」

「大学のキャンパスでツイートアップを開催する」

こうしたミッションを、それぞれのチームが40程度こなしていくわけです。チームデトロイトは公式サイトでこれらの動画・画像を掲載していますが、 チームメンバーはそれぞれのツイッターアカウントやブログも当然持っています。
一つのチームは4名で構成されるので、8チーム×4名で、32名分の「インフルエンサー(影響力のあるソーシャルメディアユーザー)」がキャンペー ンに関する情報を積極的に発信していくのです。2週間と短い期間ですが、ソーシャルメディア上での影響は大きなものとなります。
成果は?
このキャンペーンの気になる成果は、下記のようなものです。
・2週間で6,110万のソーシャルウェブ・インプレッション。そのうち98%がポジティブ。
・15,924件のオンライン言及
・そのうち13,400件はツイッターによるもの(前月比で2倍)
・1,216のブログ記事
・1,268のその他の記事(コメント、画像、ビデオ)
・FacebookとChevySXSW.comに33,500PVの流入
・ChevySXSW.comに対する、300件以上のポジティブなユーザー作成コンテンツ(250以上はビデオ)
・Facebookファンが8,764人増加
・@Chevroletのフォロワーが68%増加
・ガイ・カワサキ、ロバート・スコーブル、ジャイソン・フォールズなどのインフルエンサーが紹介。
・USA Today、C/Net、AdAge、AdWeek、BrandWeekなど、250以上のトラディショナル・メディアが紹介。8,000万以上のインプ レッション。
キャンペーンは2週間、ソーシャルメディア経由で6,110万インプレッション、トラディショナルメディア経由で8,000万インプレッション。凄 い数字です。
現時点では公表されていませんが、新車「ボルト」の認知向上度や、今後の売上にどのように繋がるかも気になるところです。
User Generated Contentsが鍵?
「Fiesta Movement」と同様、ここでも「企業」としてのGMの存在感は薄いです。露出されるコンテンツはユーザーによって作られたものであって、企業色はあ まり感じさせません。
ソーシャルメディアマーケティングがトラディショナルな手段と違う点は、ユーザーがソーシャルグラフ(人間関係)を保有していて、その範囲でコミュ ニケーションを行っていることです。そこでは「企業」は、一般的に異質な存在であるため、ユーザーと共存するためには相応の「配慮」が必要です。
今回のキャンペーンにおいて、その「配慮」の一つになっているのは「コンテンツをユーザーに作ってもらう」という点でしょう。裏にはGMが付いてお り、キャンペーンであることは分かっていても、自分たちと同じようなユーザーが作り出すコンテンツは、一般的に違和感無く受け入れられるものです。
User Generated Contents(UGC)という表現は聞かれなくなりつつありますが、ソーシャルグラフの中に企業が飛び込むにあたっては、意識する必要があるキーワー ドなのかもしれませんね。
参考:
9 Reasons Why General Motors Social Media Marketing Competition Was A Success
Challenges Set for Chevy SXSW Road Trip
SMM アナリスト 池田勇人