2017/11/07

ベトナム人はすぐに会社をやめる? ベトナム文化における働き方を考えてみた。

しんちゃお。トライバルメディアハウス&TMH Tech. Labの譲太郎です。
今回も、ベトナムへ進出している、または検討されている方に向けたニッチな情報をお届けします。
 
ベトナムに会社を設立する際に、本当にいろいろな方からアドバイスを頂きました。もちろん、設立前だけでなく今でもベトナムに駐在する先輩や友人たちからのアドバイス、情報交換は会社運営において重要な資産になっています。
ベトナムに限らず、海外ではきっと駐在員同士のネットワークがそこそこ充実していて、そこで代え難い情報を交換していると思います。他愛もないというか、しょーもない会話が大半を占めますけどね 🙂
そんな情報交換の中で、上位に食い込むのがスタッフの定着について。ベトナムは日本に比べ、人材の流動性が高いと言われており、その対策について話題になることが少なくありません。
そこで今回は「ベトナム人はすぐに会社をやめるのか?」というテーマで振り返ってみたいと思います。(先に結論言うと力強くNoです。)
 
 
●設立前にもらった人事関連のアドバイス
・ベトナムは日本に比べてジョブホッパーが多い
・給与提示が現状より高ければ比較的安易に転職に踏み切る
・会社の移転や自分の引越しなどで通勤時間が長くなると辞める人が多いから気をつけろ
・日本よりも年齢を気にする(年功序列)
・自尊心が傷つきやすいので人前で怒るのはご法度
・日系企業には福利厚生の充実を大いに期待している
・社員旅行は必須だと思え
・職業(&会社)の選択に家族の意見も大いに関わる
・正月休暇(テト休暇)明けは人材流出の危機&機会
※正月はスタッフがみんな実家に帰り、家族からさまざまなアドバイスを受けるため etc.
 
これ以外にもいろいろなアドバイスを受けましたが、とどのつまり日本よりも定着率が低いぞ! ということと、目先の得(給与、福利厚生、勤務時間)へのウェイトが高く、仕事の内容や長期的なキャリア形成に対するウェイトが低いということ。ちなみに、これらのアドバイスは程度の差こそあれ基本すべて間違っていません。
 
このようなアドバイスを踏まえて、試行錯誤しながらも設立から3年弱が経過し、現在31名の会社になりました。
1人も退職者ナシと言いたいところですが、残念ながらこれまでに2人のスタッフが転職しました。詳細は割愛しますが、2人ともうちの会社では叶えることができない夢を抱き、その夢に挑戦するためというのが退職の理由なので、仕方がないと思う反面、結局は彼らを魅きつけることができなかったと反省もしています。
 
ただ、約3年で30名が入社し、退職者2名という数値は一般的に言われているソレよりも少ない数値なので、どこまで参考になるか分かりませんが、弊社(テックラボ)のルールや取り組みについて少し触れてみたいと思います。そこまで特別ではないかもしれませんが。
 
 
●面接は徹底的に人柄(人柄 > スキル)
既存スタッフの中に入って、円滑にコミュニケーションをとっているイメージが付くか、を重視します。このイメージができなければ、スキルが優れていても採用を見送ります。通訳を介して面接をするので、通訳に対する対応も注意深く観察しています。
参考:ベトナムで新卒学生の面接をする前に知っておいて欲しいこと
 
 
●新卒・第二新卒のみ採用
年功序列を気にするということもありますが、せっかく新しく立ち上げた会社なので、スタッフに向上心と自覚をもってチャンスを掴んで欲しいという思いから、マネジメント層の採用を一切行わないことにしました。
経験のあるスタッフを採用したほうが即戦力になりますし、短期的な成果だけを考えたら、大学でのベースはあるにせよ一から技術を指導する、社会人としての考え方や働き方を伝えていくことは手間がかかります。ただ、型がないから吸収が早いし、チャンスだと思って奮起してもらうことで、長期的にはこの方がメリットが大きいと判断しました。
 
※この決断をするためには、「本社が短期のリターンを求めすぎないこと」これに尽きます。
なお、人事・総務を担当してもらっているアドミニストレーターは、スタッフの人事回りや会社の台所を預かってもらう重要なポジションなので、人柄はもちろん、経験も重視しました。またスタッフに対する発言力も考慮してスタッフよりも年長者であることも選定のポイントにしました。そして幸運にも最高のアドミニストレーターと出会うことができました。アドミニストレーターがいかに重要なポジションかについてはまた改めて。
 
 
●朝は15分遅刻OK
8時30分が始業時間ですが、8時45分までは遅刻にならないというルールを設けてます。
ベトナムってバイクすごいんですよ。バイク渋滞も半端ない。季節にもよりますが突然の豪雨もあったりします。まあそれに合わせて早く出社すれば問題ないんですけど、あんまり慌てて運転しても危ないし、ちょっと遅刻オーケーってなんかいいかなと。
どの程度気に入ってもらえているかわかりませんが、大いに活用されてます(笑)
 

 
 
●旧正月には家族へ手紙を
ベトナムのテト(旧正月)は、昔の日本のようにみんな故郷に戻って、家族や親族と過ごします。お店も正月用品を販売しているようなお店を除きほぼ100%定休です。
(日本も正月くらいはコンビニ含めて休みにしてもいいのにと本気で思います。)
 
そんなわけでスタッフはみんな故郷に戻り家族に仕事のあれこれを報告したりするそうなんです。そこで「そんな会社なら転職すればいい」なんて両親からアドバイスをされて実際に転職活動をはじめる……という流れが珍しくないと。それだけ家族の意見は影響力が強いようです。
それならピンチをチャンスに変えようと、家族に手紙を書くことにしました。スタッフがどうして入社したのか、いまどんなプロジェクトで活躍をしているのか、将来どんなことを期待しているのか、などを記載します。
家族の意見が強いなら、その家族に会社のことをもっと知ってもらい、応援する側に回ってくれたら心強いという狙いもありますが、離れて暮らす息子さんや娘さんの様子が少しでも分かったら嬉しいかなと思って続けています。今年は社員旅行や社内イベントの写真も同封して送りました。
 
この他にも、月に1回はスタッフとアクティビティしたり、フルーツタイム(おやつタイム)という時間を設けて毎日スタッフとコミュニケーションとったり、実際に行っているプロジェクトとは別に新しい技術を学ぶ時間を設けたり、その他にもいろいろな取り組みをやっていますが、長くなってしまったのでまたの機会に。
 
 
なお、テックラボは自社でオフィスを構える前に、すでに進出していたシーサーベトナムさんのオフィスを半年間ほど間借りしていたこともあり、シーサーさんの組織運営がベースになっています。そのシーサーさんがとても雰囲気のよい会社だったというのが、離陸が成功した最大の要因といってもいいかもしれません。
 
ということで、今回のテーマ「ベトナム人はすぐに会社をやめる?」については力強くNoと言いたい。
日本と比べて、相対的に転職へのハードルが低いことは間違いないと思います。長期視点よりも短期的な視点で物事を測る傾向もあると思います。
でも、彼らと向き合っていると、会社への愛着も感じてくれるし、自分のキャリアや成長を大切に思っているし、なにより仲間との関係をとても大切にしていることに気づきます。
なので、転職へのハードルが低いことがわかっているならそれを踏まえて、もっとしっかり中長期的なキャリア形成や成長について話をしてあげることや、会社とのエンゲージメントを高めてもらうことに努力を惜しまないことが大切なんだと思います。
 
 
「すぐやめる国民性だからどんどん転職しても仕方がない」
 
 
こう言ってしまったら、自分も会社も成長が止まってしまうかな、そんな自戒を込めて。
Never up, never in!
 
P.S このブログを書きあげた日に、一名退職希望者が出ました。

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