2017/06/06

【熱狂ブランド戦略コラム】熱狂顧客の「資産」と「価値」

こんにちは。トライバルメディアハウスで熱狂ブランド戦略を推進している高橋です。
 
前回は、「熱狂の壁」を越えるための顧客体験という記事で、顧客を熱狂に導くための体験として「熱狂の壁の越え方」をご紹介させていただきました。今回は、熱狂ブランド戦略を推進するうえで欠かせない「熱狂顧客の発揮する価値」についてお伝えしていきたいと思います。
 
 
顧客が熱狂することによって発揮できる価値
熱狂ブランド戦略は、顧客がブランドに熱狂することによって、企業に持続的な競争優位性をもたらす戦略です。この熱狂顧客とともに歩むマーケティング戦略においては、熱狂した顧客が自社にとってどのような価値を発揮するのかを把握し、その価値を把握したうえでマーケティング戦略に落とすことが欠かせません。
 
この熱狂顧客の価値を定義するためには、熱狂顧客が独自でもっている「資産」についても把握しておく必要があります。一般の顧客が持っていない、熱狂顧客が独自で保有している「資産」を把握し、それらの資産がどのような「価値」を発揮するのかを整理することで、熱狂ブランド戦略の軸が定まります。
 
 
熱狂顧客の「資産」
ブランドは、製品そのものだけでは、その価値を最大限発揮することはできません。たとえば一眼レフカメラは、カメラだけが存在していてもキレイな写真を撮影することはできません。撮影する人のカメラ・写真についての知識や、撮影スキル(テクニック)、そしてこれまで撮影してきた経験そのものが、その人にとっての一眼レフカメラの価値を最大限発揮することに寄与します。つまり、この一眼レフカメラの場合は、その人の「知識」「スキル」「経験」が「資産」になっているといえます。
また、高級レストランにおいても同じことがいえます。その高級レストランに見合った服装で来店し、テーブルマナーを守って食事を楽しむという行動そのものが、その高級レストランの価値を最大限発揮するうえで欠かせない要素となります。この場合は、そのお客様の「知識」「行動」こそが、顧客の有する「資産」になっているのです。
 
上記では、特定のブランドではなく一般的な商品やサービスにおいて顧客が独自で持っている「資産」を例に挙げていますが、同様にブランドの価値を最大限発揮するためには、顧客が持つこの「資産」がより的確かつ有効に活用されることによって、価値が最大化されると考えられます。この熱狂顧客が持つ「資産」は、ブランドによってさまざまですが、そのブランドに熱狂する顧客の「資産」の独自性が高ければ高いほど、自社のブランドを好きでいてくれる理由が明確になっているといえます。つまり、そのブランドに熱狂する顧客の「資産」の独自性が低ければ、必然的に他社ブランドから模倣をされる可能性も高くなるということです。
熱狂顧客の「資産」の独自性が高いブランドこそ、そのブランドを選ぶ強い理由ができあがっているのです。
 
この熱狂顧客の「資産」は、大きく分けると「知識」「スキル」「経験」「行動」「意向」の5つに大別されます。
この5つの「資産」を活用して、特定の人もしくは団体(企業)に対して貢献できる価値こそが、熱狂顧客の価値になります。
 
 

 
 
 
熱狂顧客が発揮する「価値」
次に、上記の「資産」を用いて、特定の人や団体(企業)に対して貢献できることを、熱狂顧客が発揮する「価値」として整理してみたいと思います。熱狂顧客が発揮する「価値」には、以下の6つが存在します。

経済価値
持続的に購入しつづけ、継続的な利益貢献をしてくれる。
 
顧客理解価値
熱狂顧客の行動や意向を調査によって把握することで、製品開発やサービス改善についての示唆を得ることができる。
 
共創価値
熱狂顧客とのディスカッションや協働により、これまでにない価値を共創していくことができる。
 
影響価値
熱狂顧客からの口頭での直接的な推奨や、ソーシャルメディア上でのコンテンツによる間接的な影響を見込顧客へ与えることができる。
 
コミュニケーション・リデザイン価値
熱狂顧客を理解することによって従来のコミュニケーションを見直し、より効率の高いマーケティング施策へコミュニケーションをリデザインすることができる。
 
支援価値
熱狂顧客を知ることで、自社の社員に対する営業のサポートや、開発のヒントを提供することができる。

 
 
どれも、企業・ブランドに大きく影響を与えることができる貴重な「価値」ばかりです。このように、熱狂ブランド戦略においては、熱狂顧客の持つ「資産」と「価値」を整理し、どのような価値を企業や社員へフィードバックしていくかを戦略的に構築していく必要があります。
早稲田大学の教授で「R3コミュニケーション」の著者である恩藏直人氏は、これからの時代におけるコミュニケーションは二者間から三者間へ移行するとし、企業・ブランド、一般消費者(見込顧客)、サポーター(見込支援客)の間での「Relevance(自分ゴト化)」「Reputation(評判形成)」「Relationship(関係構築)」が重要と述べています。
このR3コミュニケーションの理論に熱狂ブランド戦略の考え方をあてはめてみると、下図のようになります。
 
 

 
 
また、本質的な熱狂ブランドを育てていくためには、顧客を熱狂させる前に自社の社員が自社ブランドに対して熱狂していることが大前提なので、今回はこのR3コミュニケーションに、さらに「自社の社員」というピースを加え、四者間でのコミュニケーションの中で、熱狂顧客の価値がどのように発揮されるかを整理しました。
 
この中では、企業が直接的に享受できる価値を一次的価値、間接的に享受できる価値を二次的価値と捉えると、「①経済価値」「②顧客理解価値」「③共創価値」「④影響価値」は一次的価値「⑤コミュニケーションリデザイン価値」「⑥支援価値」は二次的価値として整理することができます。
企業は、熱狂ブランド戦略の戦略オプションを検討する際、上記のような一次的価値と二次的価値をどの程度享受できるか、その価値がどの程度のインパクトをもたらすかを考慮しながら組み立てていくことが重要になります。
 
熱狂顧客の持っている「資産」は、企業・ブランドがこれまでの歴史の中で築いてきた模倣困難な「強み」に裏付けされた特長そのもの。それらの強みを活かすことこそが、熱狂ブランド戦略を成功に導くうえで不可欠な要素となるのです。
 
 
【過去の記事】
◆2017/01/18 【熱狂ブランド戦略コラム】「熱狂の壁」を越えるための顧客体験 
◆2016/10/18 これからのマーケティング戦略で避けられない”Third Moment of Truth”とは
 
 

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